I-neは、国立大学法人佐賀大学の徳留嘉寛教授と共同で、「炭酸によるアスコルビン酸(ビタミンC)の経皮吸収促進効果と美容効果のメカニズムを解明する」プロジェクトを開始したことを発表した。

同プロジェクトは、炭酸ガスがビタミンCをはじめとする肌に有用な成分の経皮吸収をどのように促進するかの科学的メカニズムを明らかにすることを目的としている。

ビタミンCは、美容・スキンケアの領域で広く認知された有効成分であり、抗酸化力、皮膚コラーゲン生成の亢進、紫外線による損傷保護、色素沈着の減少など非常に多くの機能を持つ有効成分であると知られており、昨今のスキンケア製品に多く配合されている主要な成分の一つだ。

ビタミンCは水溶性であることから、皮膚バリアを通過するのが困難であり、その効果を最大限に引き出すことが課題となっている。これまでにI-neは炭酸がビタミンCの経皮吸収を促進する可能性を明らかにしてきた。

一方で、炭酸が皮膚を通じて有用成分の吸収を促進するという概念は、あまり知られていなかった。そのため、本プロジェクトでは、炭酸の経皮吸収メカニズムを科学的に解明することで、ビタミンと炭酸の相乗効果による美容効果の最大化を検討する。

共同研究では、炭酸が皮膚のバリアをどのように変化させ、有用成分の浸透をどのように改善するかを詳細に評価し、そのプロセスを解明する。炭酸ガスの経皮吸収と有用成分の効果を増幅させるための最適な条件を特定することを目指す。

佐賀大学教育研究院自然科学域理工学系の徳留嘉寛教授は、美容科学および皮膚生理学の専門家であり、長年にわたり皮膚の健康に関する研究を行ってきた同領域の第一人者だ。その経歴は、皮膚科学、特に皮膚のバリア機能と修復プロセスに関する研究で数多くの新知見を創出し、特に、皮膚の水分保持能力、外部刺激からの保護メカニズム、および老化に関連する皮膚の変化に関する多くの研究論文を発表し、国際的な評価を得ている。

徳留教授との共創により、炭酸経皮吸収促進仮説の客観的かつ科学的な検証や、ビタミンCの皮膚への浸透メカニズムの解明だけでなく、皮膚におけるビタミンCの効果的な活用方法に関する新たな知見を創出していく。