9月13日に始まった「2018年台湾国際ビューティーショー」。出展社の中で話題を集めたのは、台湾のベンチャー企業「UNICORN SKINCARE」である。

15年設立の同社は、オーガニックスキンケアブランド「BFFET」、ヘアケアブランド「HAIRLAB」に加え、メンズ化粧品ブランド「UNICORN SKINCARE」を展示。男性向けのボディマッサージオイルやボディスクラブ、リフトクリーム、ボディローション、クレンジング、化粧水などを揃えていたが、来場者の興味を引いたのは、お尻用リフトマスクである。同社のJohnny Shin Co Founder Chief Executive Officerは次のように説明する。

「商品開発にあたっては、男性を愛する男性の声をたくさん集めた。そうすると、一番気にしている部位はお尻で、リフトアップしたいという気持ちを持っていたんです。アジアではシートマスクが売れているけど、お尻用リフトマスクを求めるお客様がいることに気がついた。しかも、それは世界中で需要がある」

お尻用リフトマスク

お尻用リフトマスクの使い方

価格は3枚入りで、980台湾ドル。その他、若い男性が悩む、汗が原因の背中ニキビをケアする商品も人気。ブランド全体の売上げは年間4~5000万台湾ドル。そのうち、海外売上高は10~20%。日本には未進出だが、ネットを通じて購入する消費者がいる。お尻用リフトマスクの使用方法を漫画に書いてTwitterにアップする愛用者もいるという。

「会社設立のきっかけは、メンズファッション雑誌で、男性のスキンケアブランドの記事を読んだこと。実家は電機産業を営んでいるが、未来に希望が持てなかった。その点、男性のスキンケアはこれからで、成長性を感じたんです。台湾の男性にスキンケア文化を根付かせる一方で、日本では百貨店のメンズ売り場などに商品が並べられるうように頑張っていきたい」(Johnny Shin Co Founder Chief Executive Officer)

もう一つ、 H&H Groupも来場者から注目を集めた。展示したのは、研究者が主体となって生まれたブランド「AGE D’OR」。同社のMeng Yeh R&D Managerは「私たちのブランドは3年前に始まった。でも、研究は5年前から行っており、2つの特許成分を使っています」と話す。

一つ目の成分はSadorfons。2000種類の無患子(ムクロジ)を分析し、発見したものだ。中国では、古くから無患子に含まれる洗浄成分を活用し、歯磨きや洗濯などに使用してきた。しかし、H&H Groupは、洗浄成分ではなく、廃棄されていた種の中にあるオイル成分に着目。台北医学大学との共同研究では、肌の炎症を抑えたり、皮膚の細胞再生を促す効果が確認された。Sadorfonsは、スキンケアシリーズに配合されている。

二つ目の成分はMucinhairである。牛乳から抽出したタンパク質の一つで、Meng Yeh R&D Managerは「サイズはペプチドと同じくらい。台湾大学との共同研究は、ペプチド研究の一環として母乳について調べていた先生と行った。生まれたばかりの子供は皮膚が弱い。それをサポートする成分が母乳に含まれている。共同研究では、牛乳の中から抽出することに成功した」と話す。この成分を頭皮に塗ると、育毛効果が期待できることから、ヘアケアシリーズに配合している。

価格は、スキンケアシリーズが6アイテムで339~1099台湾ドル、ヘアケアシリーズが5アイテムで759~5999台湾ドル。台湾での販路は、スキンケアはスパ中心、ヘアケアは付加価値型理美容店が中心。海外では香港と中国に進出。日本は未進出で、パートナー企業を探している段階である。「欧州では英国進出が決まりそう。もっと世界に広げていく」(Meng Yeh R&D Manager)。

次回も、特徴あるブランドを紹介する。