人手不足で生産体制が整わない

化粧品OEM(受託製造)業界は、茨城県が競争の最前線だ。日韓が工場建設を巡って火花を散らしている。国内最大手の日本コルマーは、茨城・結城工場の近隣に工場用地を取得し、新施設を建てるという。一方、韓国最大手で、世界最大のOEM企業コスマックスも茨城県坂東市に工場用地を購入済み。いずれの企業も稼働は2025年中の見込みで、OEM業界を代表する2社が生産力を大幅に高める模様だ。「茨城には、エスティ ローダー(米国)も生産拠点を置く予定だ。空港や港が近く、アジア市場への出荷を見据えた攻めの戦略ではないか」と化粧品業界の関係者は見る。

大手OEMメーカーが生産体制強化に動くのは、コロナ後の需要急増に対応するためである。メーカー各社がポイントメイクの新商品を発売するようになり、OEMへの委託数が増加。メイクをする機会が減ったコロナ下は、自身の素肌や髪を根本からきれいにしたいという本質的な美を求めるニーズが顕在化。スキンケア、ヘアケア、ボディケアの高付加価値品が売れに売れたが、メイクアップもようやく需要拡大に転換。経産省の出荷統計も二桁超の伸長率になっている。

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