スタートアップ企業の受注拡大が業績を後押し

――2023年はコロナが5類感染症に移行し、生活者の活動が活発になりました。化粧品業界も元気を取り戻しつつあります。

神崎 受託製造業の視点でお話しをすると、国内化粧品市場はコロナ前に戻りつつあるのは確かです。特にメイクは大きく復調しています。アフターコロナに向けた市場の転換期となっているのではないでしょうか。また、コロナにかかわらず、近年ではスタートアップ企業の存在感が拡大しています。そうした企業が展開する中・高価格帯のシャンプー・コンディショナーを中心としたヘアケアカテゴリーでは巣ごもり需要を獲得し、それが引き続き堅調に推移しています。スタートアップ企業は生産機能を持たないファブレスがほとんどのためOEM/ODMへの委託が増えています。一方で、インバウンド需要は19年の中国新EC法の影響で縮小傾向にありましたから、コロナが収束に向かいつつある今、中国本土からの旅行が可能になったからといって以前のような市場環境に戻ることはないのではと考えています。一方、中国国内においては政治的な影響や中国経済の不透明さ、ローカルブランドの使用促進を図る「国潮」といった複合的な要素により、これまでとは異なる舵取りが必要になっています。中国向けの戦略を見直すところも多く、受託拡大は難しさを感じています。

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