65歳以上の高齢者人口がピークを迎えるといわれる2040年の医療提供の在り方において、OTCの新たな役割について議論され始めている。「2040年問題」と言われる医療提供体制にかかわる危惧は、高齢化がピークに達することによる医療資源の枯渇だ。同年には、65歳以上の高齢者が増える一方で、働く世代は激減。総務省の「国勢調査」などの資料では、65歳以上が6000万人を超えるのに対し、15~64歳までのいわゆる現役世代は6000万人を割り込むことが予想されている。現在の医療費負担の主たる担い手である生産年齢人口が急減することで、生産年齢人口あたりの社会保障給付費負担の増加が見込まれる。つまり、国民皆保険制度を維持するための医療財源の確保が困難になるのだ。
医療現場においては、地域医療の担い手である診療所に従事する医師のうち、60歳以上の医師が占める割合は約50%で、平均年齢は60.0歳まで上昇。また、今年7月に実施された第2回医道審議会保健師助産師看護師分科会看護師等確保基本指針検討部会では、高齢者が増える中で看護師、介護士を含め1000万人超の医療・福祉分野の就業者数が必要となる試算が示されたが、一方では就労人口減少に伴う人材不足が懸念されており、将来的には人材確保が困難になる。医療財源と提供体制の両面の対策が喫緊の課題となっている。
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