出産を諦めるのはお金の問題に起因する

日本の少子化は深刻な状況に陥っている。厚生労働省が2023年6月2日に発表した22年の日本人の人口動態統計(概数)によると、1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率は、統計を取り始めた1947年以降で過去最低の1.26。また、1年間に生まれた子どもの数(出生数)は77万747人。こちらも1899年の統計開始から初めて80万人を割り込み、過去最少を記録した。国立社会保障・人口問題研究所は、2017年発表の「日本の将来推計人口(令和5年推計)」で、70年の人口は8700万人、出生数は約50万人と推計。「令和5年版厚生労働白書」は、この数値を「厳しい見通し」と引用しているが、現実は予想を上回るスピードで悪化している。「コロナ下で結婚、出産を控えた人が多く出たこともあるが、日本は人口減少の危機に立っている」と大手化粧品メーカー幹部は危機感を募らせている。

少子化が進めば、国内市場は縮小する。化粧品の一人当たり消費額と一人当たり名目GDPには相関関係がある。現在、日本の名目GDPは上昇傾向にあるが、主な要因は物価高による設備投資、家計消費の増加であるから、実際の消費者の購買力は下がっている。化粧品や日用品の市場規模は、人口数に強く依存する。国内から、少子化とは無縁で経済成長に伴って名目GDPが上昇する国・地域にメーカー各社が活路を求めるのは合理的な判断である。

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