女性需要以外を狙った商品、プロモーションを展開

需要創出で業績を伸ばし、稼いだ利益を社内の働き方改革に積極投資する。この好循環を回すことで、コーセーは出生率低迷に対応する考えだ。そのために堀田昌宏取締役は「化粧人口を増やさなければいけない」と檄を飛ばす。国内市場は縮小の一途だが、化粧品の使用者は依然として女性に偏重。そこでコーセーはジェンダー(性別)、ジェネレーション(年齢)、グローバル(海外)の頭文字を取った「3G」戦略を打ち出した。狙いは年代、性別を問わず世界中の生活者にアプローチし化粧のすそ野を広げることで、市場を活性化することだ。

「3G」戦略の成功事例は、米国メジャーリーガーの大谷翔平選手を高級ブランド「コスメデコルテ」の広告に起用したことだろう。実際、広告展開を機に人気の美容液「リポソーム アドバンスト リペアセラム」を購入する男性が一気に増加。2023年上期の日本事業は、大谷効果で増収率が5ポイント以上もアップ。下期は後半に大谷起用のプロモーションを予定しており、その効果は24年まで続く見込みだという。「3G」戦略による顧客層拡大は続きそうだ。

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