ユニ・チャームの2023年12月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比7.7%増の4539億3700万円、コア営業利益6.0%増の587億4700万円、税引前四半期利益8.2%増の609億8900万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益9.1%増の346億6700万円と増収増益。第2四半期累計期間では売上高は過去最高を更新、コア営業利益は過去最高水準を達成した。
地域別にみると、日本は売上高4.2%増の1510億円、コア営業利益7.8%増の279億円と増収増益。ペットケアは価値転嫁浸透で好調持続。ベビーケアも価値転嫁効果で増収増益だった。マスクを除くウェルネスケアの価値転嫁は計画どおり実施し増収を牽引している。一方でCOVID-19 の収束傾向でマスクの流通在庫調整が第1四半期から継続している。
海外は、アジアが売上高8.9%増の2186億円、コア営業利益0.1%減の225億円と増収、利益は横ばいだった。その他は売上高11.0%増の843億円、コア営業利益17.1%増の81億円と大幅な増収増益だった。アジア地域は全般的にフェミニンケアが好調推移。インドは業績好調で増収を牽引した。減益はタイやベトナムなどのベビーケア市場縮小と競合要因もあったが下期からは改善見込む。その他地域では、北米は好調継続、ブラジルは高成長で黒字が定着している。また中東は改善傾向にある。
事業セグメント別では、パーソナルケアは売上高6.6%増の3846億8400万円、セグメント利益0.1%減の481億9500万円となった。ウェルネスケア関連商品では、国内の大人用排泄ケア用品においては、ADLに合わせた豊富な商品ラインアップの展開を継続し、新たな付加価値商品の展開による価値転嫁が順調に進んだ結果、高い売上高成長を実現し、市場回復を牽引した。
フェミニンケア関連商品は、中国においては、昨年から第1四半期連結累計期間まで続いた流通の在庫圧縮の影響を受けたが、流通環境も平準化し回復の兆しが見えるなか、引き続き沿岸部の都市を中心に、販売エリアと取扱店舗数の拡大を推進する一方、eコマースにおける新プラットフォームの活用による販売強化に取り組みながら、若年層をターゲットに継続的な新価値提案を実施した結果、高付加価値商品であるショーツ型ナプキンなどが引き続き伸長した。タイ、インドネシア、ベトナムといったアジア地域においても、新コンセプトである、清涼感のあるつけ心地を実現したクールナプキンなどの高付加価値商品の展開を継続し、好調に推移している。中東では、現地の習慣を捉えたオリーブオイルを配合した新商品などの積極的なマーケティング投資により、サウジアラビア国内販売に加え、近隣諸国への輸出も進めた結果、安定的な成長を実現。国内においては、対象人口は減少傾向にあるものの、健康意識や安心志向の高まり、さらにはライフスタイルに合わせた高付加価値商品による価値転嫁の拡大やSNSなどを活用した消費者とのコミュニケーションなどに努めた結果、高い市場シェアを維持した。
ベビーケア関連商品では、新興国のなかでも紙おむつの普及率が低いインドでは、パンツ型紙おむつの普及促進を図りながら販売エリアの拡大と市場シェアの回復に努めた結果、高い売上高成長を実現。出生率の低下に加え、COVID-19の拡大の影響により市場が二極化していたタイにおいては、消費者の幅広いニーズに対応するために、18年に買収したDSG (Cayman) Ltd.とのシナジーを活かした2ブランド戦略を展開し、高い市場シェアを維持。
ペットケア事業は、売上高14.3%増の651億3000万円、セグメント利益49.4%増の104億7500万円と大幅な増収増益。ペットトイレタリーにおいて猫用システムトイレの取替サンドの消臭力を強化したリニューアル商品を発売し、高い成長を実現した。昨年来、新たな高付加価値商品の展開による価値転嫁が順調に進んでいる北米においては、一部インフレの加速による景気悪化の影響を受けたが、日本の技術を搭載した新たなコンセプトの猫ウェットタイプ副食や、高品質な犬用トイレタリーシートなどの販売が好調に推移し、安定した売上高成長を実現した。
その他事業は、売上高12.4%増の41億2300万円、セグメント利益56.9%減の7700万円だった。
23年12月期通期業績は、売上高7.3%増の9635億円、コア営業利益17.9%増の1410億円、税引前当期利益18.8%増の1375億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は19.7%増の809億円と前回予想を据え置いた。