ユニ・チャームの2022年12月期通期業績は、売上高は14.7%増の8980億2200万円と過去最高を更新したが、コア営業利益は2.4%減の1195億6600万円、税引前当期利益は5.1%減の1157億800万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は7.1%減の676億800万円と利益は各段階とも減益となった。急激なコスト上昇を受けて厳しい状況ではあるが、下期は増益で改善傾向にある。

所在地別にみると、日本は売上高4.3%増の3076億3100万円、コア営業利益は0.8%減の578億3000万円だった。第3四半期、第4四半期に価値転嫁、ミックス改善、コスト効率化などを進めたこともあり、下期は増益に転じた。中国は売上高3.2%増の1152億7500万円、コア営業利益は24.9%減の163億7600万円となった。長引いたロックダウンが影響した。

アジアの売上高は24.2%増の3129億9700万円、コア営業利益は7.0%増の312億2300万円の増収増益。インド、インドネシア、ベトナムなどが業績をけん引。中でもインドは積極的な先行投資、価値転嫁で収益性が改善している。その他地域は23.4%増の1621億1800万円、コア営業利益は8.5%増の139億4900万円。北米が価値転嫁で収益性を改善し業績をけん引した。

セグメント別では、パーソナルケアが売上高13.8%増の7649億800万円、コア営業利益が6.0%減の1008億6300万円。フェミニンケア、ウェルネスケアなどがけん引した。ペットケアは売上高19.9%増の1253億1200万円、コア営業利益は25.5%増の183億5200万円だった。価値転嫁が好調に推移したことに加え、アジア展開強化が奏功した。

23年12月期通期業績は、売上高7.3%増の9635億円、コア営業利益は17.9%増の1410億円、税引前当期純利益は18.8%増の1375億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は19.7%増の809億円と増収増益を見込む。