ユニ・チャームは5月14日、2020年12月期第1四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比9.0%増の1837億8800万円、コア営業利益は同50.7%増の302億8100万円で増収増益となり、過去最高を更新した。マーケティング費用を効果的に投下した結果、日本を中心とした増収効果による数量増で102億円増益となった。当期利益は同51.3%増の192億1500万円。

地域別にみると、日本は売上高が同18.1%増、コア営業利益が同79.5%増と大幅な増収増益となった。新型コロナウイルス感染症の影響により、マスクやアルコールウェットティッシュ等、感染症対策商品の特需、また消費者の備蓄意識の高まりもあり、生産体制の強化と高付加価値パーソナルケア関連商品の需要喚起の継続により、大きく伸長した。

一方海外はタイ、中国、インドが伸長し、全体収益をけん引した。主要参入国である中国では、消費者の外出や移動の制限による消費の低迷、人手不足による一時的な工場の操業度低下、またインドネシアやタイなどでも景気減速懸念が続き、消費者の備蓄意識の高まりにより、生理用品やベビー用紙おむつ等の生活必需品が一時的に店頭で品薄状態となった。そうしたなか、生産体制の強化と各国の市場環境や消費者ニーズに合わせたパーソナルケア関連商品の販売活動を強化し、持続的な成長を実現。その結果、売上高が同4.4%増、コア営業利益が36.8%増と増収増益となった。

20年12月通期業績は前回公表した数字を据え置いた。上半期は、第1四半期で計画から大きく上振れたこともあり増収増益を見込む。一方、下半期は、新型コロナウイルス感染症拡大の収束時期や、それによる影響度を予測することは困難とし、各国・地域でのさまざまな環境変化のなか、状況を見極め迅速に戦略を修正しながら実行し公表値の達成を目指す。