静岡県掛川市に足を運ぶと、資生堂の神髄が深く理解できる。その舞台は企業資料館と掛川工場だ。1992年の創業120周年を機に開設した企業資料館は、1872年に日本初の民間洋風調剤薬局として創業した資生堂の歩みを余すことなく伝えている。一方、掛川工場は、メイクアップ製品の主力工場であり、化粧品製造工場におけるカーボンニュートラルの実現に向けて先進的な取り組みに挑戦。そこからの学びは国内工場(大阪、大阪茨木、那須、福岡久留米)に水平展開しており、創業以来、時代の要請に応え続ける資生堂らしい取り組みだ。つまり、掛川には、原点から最新事例まで、資生堂のあらゆるエッセンスが詰まっている。

自社の存在意義を企業資料館が明確化

「資生堂は、自分たちが大切にするこだわりをそのまま届けるために、時代に合わせてさまざまに変化してきた」と企業資料館の大木敏行館長は説明する。資生堂のこだわりとは何か。一つ目は世の中を良くしたいという強い思い、二つ目は、いつの時代も本物の価値を自らつくり、それをきちんとお客に伝えること。三つ目は、時代に先駆けたモノづくりやコミュニケーションにこだわること。「資生堂が変わらないために変わり続けてきたのは、会社のためだけではなく、世の中を良くしたいからです。つまり、生活者、社会のためにということこそ、資生堂の存在意義なのです。それは企業使命として掲げている『BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD』に脈々と受け継がれています」(大木館長)

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