資生堂は、世界で初めて真皮の毛細血管の外側に接着しているペリサイト(毛細血管の血管内皮細胞に接着し、毛細血管の構造を安定化している細胞)が毛細血管のループ構造上から表皮側に移動し、表皮幹細胞様に変化することで表皮の再生を促している可能性を発見。さらに加齢に伴って表皮に向かって伸びる毛細血管のループ構造の方向にばらつきが生じ、毛細血管と表皮の距離が離れてしまうことも見いだした。

毛細血管(Cp: 緑)ループの頂上付近に存在する表皮幹細胞(赤)とペリサイト(PC: 赤)の関係

資生堂は20年以上前から皮膚の毛細血管が真皮の恒常性を維持する分子メカニズムについて研究し、健康な毛細血管が肌のシワ、たるみの抑制や肌の弾力維持に寄与する可能性を見いだしてきた。これまでは肌表面の美しさを担う表皮に対して、真皮に存在する毛細血管の関与は少ないと考えられてきたが、研究の結果、表皮側に伸びるように存在する真皮の毛細血管のループ構造が予想以上に表皮の近傍に存在しており、毛細血管が間接的に表皮の恒常性までもコントロールしている可能性が考えられたという。

若齢皮膚と老齢皮膚の毛細血管ループの方向性の違い

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