ユニリーバ・ジャパンが、プラスチックがごみにならない未来をめざして2020年11月に開始したエコポイントプログラム「UMILE(ユーマイル)プログラム」の登録者数が100万人を突破した。「Unite for Smile. UMILE」という名称で地域連携も推進。「ラックス」や「ダヴ」、「クリア」などの使用済みプラスチック容器が、町を彩るアートや、市のボランティア袋、世界に一つだけのデザインのカードケースなどへ生まれ変わり、ふたたび消費者のもとへと届いている。
同社は今後もこのプログラムを継続し、より環境に優しい習慣を広めるとともに、日用品の容器の水平リサイクルに向けた検討を進め、消費者をはじめとする多くのパートナーとともに循環型社会への早期転換をめざしていく。
「UMILEプログラム」は、消費者が毎日の暮らしの中でお得に楽しく地球のためのアクションをとれるプログラムとして、2020年11月にスタート。このプログラムでは、ボトル製品に比べてプラスチックの使用量が約70~90%減らせるユニリーバのつめかえ製品を「買ってためる」、家庭で使用後に洗浄・乾燥したプラスチック容器をパートナー店舗の回収ボックスに入れて「リサイクルしてためる」の二つの方法で、「UMILE」というポイントをためられる。ためたUMILEは、LINEポイントに交換したり、子どもたちのために活動している団体に寄付できる(1UMILE=20LINEポイントまたは20円の寄付)。
開始から約2年で公式LINEアカウントの登録者数が100万人を超えた。使用済みプラスチック容器の回収拠点は小売店・鉄道の駅など115拠点、集まったUMILE数は10万1213マイル、容器の回収量は9万5081グラムに上る(2022年12月14日現在)。
2022年3月からは、「UMILEプログラム」の枠組みを活用し、地域の方々とともに地域資源循環モデルの構築をめざす「Unite for Smile. UMILE」を推進している。現在、神奈川県湘南東ブロック(藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町)、埼玉県、静岡県浜松市、東京都調布市、広島県、福岡県福岡市、山口県下関市等と連携(2022年12月14日現在、順不同)。
官民連携のもと、使用済みプラスチック容器の回収、再生品の活用、地域の人々向けのイベントやワークショップの開催などを行い、プラスチックの使用量削減やリサイクルへの協力を呼びかけている。
この取り組みの一環として、神奈川県藤沢市では、2022年12月13日、江の島公衆トイレの美化・緑化を実施。「UMILEプログラム」で回収した使用済みつめかえパウチを洗浄・粉砕した素材を、トイレ壁面のアート作品「天気の島」や、周辺の植栽のプランター「すなご」に再利用した。アートや植物の力で町を明るく彩りながら、資源循環の大切さを伝えていく。
また、2022年11月より、「UMILEプログラム」で開発したプラスチック袋が市の収集袋(ごみ袋)に採用されている。この袋には、ユニリーバ・ジャパンのボトルをリサイクルした再生プラスチック10%、植物由来のバイオマス原料25%が含まれている。この袋は今後、市内のごみ拾いイベントでも活用され、参加した人にはUMILEを付与する予定だ。
さらに、2022年12月6日から、ユニリーバ・ジャパンとリフレクトアート社のコラボにより、「UMILEプログラム」で回収した使用済みプラスチック容器を素材の一部に使用したカードケースを「ものとアート 横浜赤レンガ倉庫店」内で販売。カードケースの柄は、今回素材として使用している「ダヴ」のパッケージをイメージした青を基調に、アーティストがすべて手描きでペイントしている。
ユニリーバは、2019年から世界共通の成長戦略「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」(USLP)の一環として、プラスチックの使用量削減に取り組んできた。さらに2019年10月には、従来の目標を拡充し、下のような四つの目標を発表。現在は、USLPの後継プランである「ユニリーバ・コンパス」の下、世界中で「Less Plastic」(パッケージの軽量化、つめかえ用の発売等によりプラスチックの使用量を減らす)、「Better Plastic」(リサイクルしやすい素材や再生プラスチック、植物性プラスチック等、より環境負荷の少ないプラスチックに替える)、「No Plastic」(紙・金属・ガラス等に替える)の三つのアプローチを組み合わせることで、環境負荷を最小にしながら、プラスチックを大切な資源として活用できるようにしている。また、社外のパートナーとともに、使用済みパッケージの分別回収・リサイクルのための仕組みづくりや、水平リサイクル技術の検証、量り売り販売等の新しいビジネスモデルの構築も進めている。