エステーは、現場で働く保育士の感染対策に対する課題や実情を洗い出すため、保育士132名を対象に、「保育園における衛生対策に関する意識調査」を実施。保育士の約8割が自身で日々の除菌・消毒作業を行っており、そのうち作業を負担に感じている人は約8割に上ることがわかった。一方で、「人手や時間の不足」「園児は自分で感染対策ができない」などの理由で感染対策を徹底できていると実感できない保育士が、全体の約4割いることも明らかになった。新型コロナウイルスおよびインフルエンザなどの感染症の感染拡大が懸念される中、保育士が感染対策と保育活動を無理なく両立するための効率的かつ効果的な衛生対策が一層必要になるものと考えられる。
【調査概要】
■調査内容:保育園における衛生対策に関する意識調査
■調査期間:2022年11月21日~11月28日
■調査対象:保育園・保育所に勤務する保育士132名
■調査方法:インターネット調査(自社調査)
※本文中のグラフの構成比は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計が100%にならないものもある。
●保育士の約8割が自身で日々の除菌・消毒作業を実施
保育の合間に・1日2回以上が約8割。多くの保育士が作業を負担に感じていることが判明
普段の保育園における除菌・消毒作業について、自身や自分以外の保育士が行っているとの回答がいずれも約8割であった。そのタイミングや回数を聞いたところ、「保育の合間」(78.0%)に、「1日2回以上」実施している(79.8%)との回答がともに約8割に上り、多くの保育士が保育活動を行いながら除菌・消毒作業行っていることが分かった。こうした日々の除菌・消毒作業に対して、精神的・体力的に負担に感じている人と回答した人は79.8%と約8割を占め、通常の保育活動に加えての除菌・消毒作業が保育士の負担を大きくしていると思われる。
●保育士の約4割は「感染対策が徹底できている」と実感できず
人手・時間不足、園児の感染対策など、保育園ならではの課題が浮き彫りに
目に見えないウイルス・菌への対策の難しさも
一方、「保育園において新型コロナウイルスの感染対策を徹底できていると感じますか?」という質問に対しては、「あまり感じない」(34.1%)、「全く感じない」(6.1%)を合わせて約4割が感染対策の徹底を実感できていないことが分かった。その理由として、「人手や時間が足りず、感染対策を十分にできていないから」(58.5%)が最も多く挙がった。次いで、「園児は自分で感染対策することができないから」(49.1%)や「消毒液や除菌剤などの効果が持続しているか分からないから」(30.2%)の理由が多く、小さい園児がいる保育園ならではの感染対策の課題や目に見えないウイルスや菌への対策の難しさがうかがえる結果となった。今後コロナウイルス第8波やインフルエンザなどの感染症との同時流行も懸念される中で、保育士が感染対策と保育を無理なく両立するための効率的かつ効果的な衛生対策が課題になるものと考えられる。
●7割以上が感染対策が保育活動や園児とのコミュニケーションに影響と回答
保育園行事や園児との会話の減少やコミュニケーションのしづらさを実感
感染対策が保育活動に与える影響については、「感染防止を意識するために、保育活動や園児とのコミュニケーションに制限が生じていると感じますか?」の質問に対して、「非常に感じる」(34.1%)、「やや感じる」(42.4%)を合わせて7割を超える保育士が実感しており、従来どおりの保育を行えていない実情が分かった。制限されていることとして、「行事やイベントの回数が減っている」(65.3%)が最も多く、「食事の時間など子供(園児)との会話が減った」(54.5%)、「マスクをしていて子供(園児)の表情が分からずコミュニケーションがとりづらい」(45.5%)が続き、行事などの保育活動のみならず、園児との直接的なコミュニケーションにも影響していることが改めて分かる。
■保育士向け「福育(拭く育)」活動を実施
また、同社は、長期化するコロナ禍で様々な現場の除菌改革を応援する「『Dr.CLEAN⁺』除菌応援プロジェクト」を、医療環境管理士・松本忠男氏と共に、2021年7月より実施している。そのプロジェクトの一環として、横浜市の認可保育所「フェアリーテイルつばさ」において、保育士向けに効率的な衛生対策をお伝えする「福育(拭く育)」活動を11月26日に実施。保育園だからこその要注意スポットや効果的・効率的な清掃方法や園児とともに実践できる「福育(拭く育)遊び」について、松本氏が説明を行った。