エステーの20年3月期第2四半期は増収増益。売上高は前年同期比0.8%増の224億4000万円、営業利益は同22.1%増の24億600万円、経常利益は同23.3%増の24億4800万円。売上高は計画に及ばなかったが、その他は全て計画以上の結果だった。主な増収要因は、高付加価値品による主力カテゴリー商品の販売数増加、増益要因はサーモケアの内製化や防虫剤の原料仕入の改善などによる原価率低減、マーケティング費抑制などで、「成長への脱皮」をテーマに行っている改革の成果が出ている。

売上高をカテゴリー別に見ると、主力のエアケア113億9000万(同1.2%増)と衣類ケア(防虫)54億2000万(同3.6%増)は好調だった。既存の消臭力が安定的に推移したうえに、高付加価値商品のトイレ用プレミアムアロマ、プレミアムアロマスティックなどが売り上げをけん引した。一方、防虫剤は、特に増税の影響を受けるカテゴリーとして7月後半頃から売り場を展開するなど販売店での早期の取り組みと、新製品の香りムシューダプレミアムアロマといった高付加価値品が貢献した。

苦戦したのはサーモケア。19年冬の暖冬という季節要因に左右され返品が増加。また、駆け込み需要対策として販売店が他のカテゴリー商品に注力したことで、売り場を確保しきれず、8億9000万円(同24.8%減)。鈴木貴子社長は「下期は季節商品としてのカイロの売り場作りをおこなうとともに、年間を通して使うヘルスケア商品の展開と拡大に注力していく」とコメント。また、イタリアのZETA社を起点とし、欧州市場獲得の基盤づくりを目指すと語った。

その他、ハンドケアは海外の規制による低調が続いているが、国内需要が伸長し25億6000万円(同2.7%増)。湿気ケアは使い捨て、シートタイプ、新製品ドライペットクリアなどが好調で20億8000万円(同6.8%増)。ホームケアは洗浄力ブランドが伸長したものの、新事業「クリアフォレスト」から昨年12月に発売した花粉商材「モリラボ」の返品が影響し、20億9000万円(同1.6%減)となった。

鈴木社長は、「単なる現状の改善ではなく、これまでとは全く違った新たな姿への脱皮を目標に、みなさんに愛していただける会社を目指す」と説明。既存ブランドの力を生かしながら機能面での高付加価値品など製品の幅を広げながら市場拡大に貢献するとともに、新規分野、サーモケア事業などの育成に注力する。通期計画は変更なし。下期は、マーケティング費用の投入、設備投資も積極的に行っていく考えだ。