「1兆円市場の奪い合い」。サプリメントのマーケットは、群雄割拠の状態が長年続いている。流通チャネルは、通信販売が約5割、訪問販売が3割、残る2割がドラッグストアやコンビニエンスストアなどの店頭チャネルと推計される。消費財では、異質な流通構造で、参入障壁が低いことも相まって、市場の実態がつかみづらく、教科書的なマーケティングが通じない。無店舗販売では、ルール無用の「ならず者」も存在。イメージの悪化とトラブルを恐れて大手メーカーは二の足を踏んでいた。

だが、状況は確実に変わりつつある。引き金は、2015年に導入された「機能性表示食品制度」だ。企業の自己責任による届出制という制度設計で、科学的根拠があれば、バラエティに富む表示が可能となった。薬機法で効果効能が禁じられ、暗示やトンチで苦し紛れに機能を伝えていた状況が変化。ルールに則り、正々堂々と表示できることとなり、大手も安心してビジネス展開が可能となった。大正製薬などOTC企業が本格的にサプリメントの展開を始めたことが、それを象徴している。参入は、なお引きも切らず、医療用医薬品を展開する小野薬品工業がグループ会社を通じて、機能性表示食品の販売を開始。原料はマルハニチロと組んでおり、医療用医薬品と食品大手というタッグが生まれた。

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