企業ブランド向上にも影響を与え始めた
プライベートブランド(PB)、専売品、共同開発――。呼び名は違えど、化粧品メーカーと小売りの協働商品は間違いなく増えている。特に、PBは、小売業のみならず、メーカーにとっても、化粧品売り場に欠かせない存在になりつつある。一昔前のPBといえば価格訴求の代名詞だったが、同質化の克服が共通課題の小売業は、独自商材として強化。マツキヨココカラ&カンパニーが「ナショナルブランド(NB)とPBの境界線がなくなった」と豪語するように、徐々に付加価値品へと移り変わっている。それだけに、PBは大手メーカーも無視できない存在になり始めた。とはいえ、PBで先頭を走るマツキヨココカラ&カンパニーでも、化粧品売り上げの約9割はNB。化粧品売り場の集客の要がNBである以上、これからのPB戦略にはNBとのシナジー発揮が強く求められることになる。
小売業にとってPBの役割は多様化している。例えば「売り場を見るだけで屋号がわかるお客はいない」という指摘があるように、化粧品売り場の同質化は古くて新しい課題。PBは、競合との差別化に不可欠な商品だ。また、高付加価値化が進んでいるとはいえ、保湿や美白、シワ改善などの機能性スキンケア品でもNBより価格を抑え集客ができる。このように高級品と低価格品の二極化が顕著な化粧品市場にとって、PBの競争力は高まっている。
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