世界各地のワイナリーでは、搾った後のブドウの果皮と種を肥料として畑に戻したり、搾りかすをさらに発酵させて、蒸留酒を作っている。この蒸留酒はイタリアではグラッパ、ドイツ語圏ではトレスターと言われるものだ。だが、それでも果皮や種は残る。近年、それに着目した業者がグレープシードオイルやグレープシードエキスを生産している。グレープシードは抗酸化物質を豊富に含むため、化粧品(スキンケア製品)やサプリメントの原料として注目されている。実はこのようにワインの成分に注目が集まる前から、フランスやドイツではワイン産地生まれのスキンケア製品が存在していた。近年のグレープシードへのブームを受け、さらに人気を増している。

ブドウの成分を化粧品に取り入れた先駆者は、1993年にフランスのワイン産地ボルドーで着想を得て、95年に創業したコーダリー社(Caudalie)だ。同社はグレープシードから抽出されるポリフェノール成分、プロシアニドニール・オリゴマー(PCO)が持つエイジングケア効果を生かしたスキンケア商品を開発した。96年にはボルドー大学薬学部と提携して研究チームを結成し、ブドウの果皮に含まれる抗酸化物質であるレスベラトロール、樹液に含まれ、色素沈着防止に効果があるというヴィニフェリンなど、ブドウの効能を次々に引き出して製品化している。

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