生活者の実感として、ドイツ人は日本人よりも虫歯が少ない印象がある。虫歯の原因が「ストレプトコッカス・ミュータンス」などのバクテリアであることが知られて久しい。こうした細菌は、親から子へと、家族間で広がることが多いというが、ドイツでは親子で必ず別の食器やフォークを使うため虫歯菌が親から子へ移りにくいといったことや、日本のように学校での集団検診はないものの、小さい頃から半年に一度歯医者に出かけて虫歯の有無を診てもらい、歯磨きの仕方を習う習慣が徹底しているなど、虫歯に対する意識は高い。フッ素含有量などハミガキの機能性も日本と比較して高いことや、定期検診と基本的な治療は健康保険で全額カバーされることも一因だろう。こうした複合的な理由により、日本人より虫歯が少ないと考えられる。
ドイツの人口は約8300万人。ドイツ人の多くは最低1日一度歯を磨くという。市場研究機関であるYouGovの2016年の調査によると人口全体の6割は1日に2回磨いており、女性より男性の方がよく磨いている。マウスウオッシュは約2000万人が少なくとも1日1回使っている。市場メディア研究の「VuMAタッチポイント」によると18年には274万人(14歳以上)が毎月歯ブラシを買い替えているという結果もあった。電動歯ブラシブランドのブラウンオーラルBの13年の調査によると58%が電動歯ブラシを使っているという。オーガニックショップには木の柄をはじめ、馬やヤギの毛を使ったこだわりの歯ブラシも見かける。
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