口腔ケアの重要性を啓発する、オーラルウェルネス推進委員会は「感染対策における口腔ケア」をテーマに11月16日、発足記念メディアセミナー「感染対策における、オーラルウェルネスとDOMAC(ドゥーマック)の可能性」を開催した。また開催に際して、WEBサイト「オーラルウェルネス推進委員会」(https://oral-wellness.jp/)を同日に公開した。

従来、口は「食べる」「話す」などの基本機能が注目されてきたが、近年、口内を健康な状態に保つ「オーラルウェルネス」の研究が進み、「口は全身の健康の要」であるということも明らかになってきている。中でも感染症において、口は感染対策の第一関門とされ、口腔ケアを行うことでインフルエンザや風邪の発症率の低下が期待できるといった「感染対策と口腔ケア」をテーマにした研究は、直近10年の間で約3倍にまで増加しているなど、注目が高まっている。

そうした中、同セミナーでは、日々の生活で手軽に取り入れられる、キャンディによる口腔ケアの有効性を検証し、中でも数々の口腔ケアに関する研究が進んでいる、アロマ成分複合体「DOMAC」に注目した発表が行われた。また、セミナー後半には、オーラルウェルネスをけん引していく企業として、オーラルウェルネスの必要性や今後の取り組みについて、協賛社を代表して、ウエルシアホールディングス(HD)・会長付地域連携推進担当部長の小原道子氏(岐阜薬科大学地域医療薬学寄付講座特任教授)と、UHA味覚糖・執行役員バイオ技術開発セクションリーダーの松川泰治氏が登壇した。

ウエルシアHDの小原氏のコメント概要は次の通り。

「私たち薬剤師も薬を作るところから在宅医療にシフトしています。服薬支援の際、口腔機能の低下を目の当たりにすることが多くなりました。薬局では口腔ケアといえば従来は歯ブラシや歯磨き粉といったグッズが多かったですが、これからは介護や食品と一緒に連携をしながら、摂食嚥下障害・食支援といった分野でもオーラルケアとして連携が必要になってくると感じます。そのことが地域を守る薬局・薬剤師の立場として健康へのスタートラインの第一歩となると考えています」

ウエルシアHD・会長付地域連携推進担当部長の小原道子氏

続いて、UHA味覚糖の松川氏のコメント概要は次の通り。

「『おいしさは、やさしさ』がUHA味覚糖のコーポレートアイデンティティ。オーラルケアに関する研究は日々進歩している一方、メーカーとして商品をいち早く社会に還元していかなければならないと考えています。キャンディなら、どこでもいつでもおいしく、手軽に摂取できるため革命に近い可能性を秘めていると思っています。今後、お菓子を食べたときに心が和むやさしさと身体の健康を実現したいです」

UHA味覚糖・執行役員バイオ技術開発セクションリーダーの松川泰治氏

セミナー前半は、イシハラクリニック副院長の石原新菜氏が「感染対策における口腔ケアの重要性」、東京歯科大学老年歯科補綴学講座教授の上田貴之氏が「唾液力を上げるキャンディの可能性」、帝京大学医真菌センター客員教授の安部茂氏が「上気道感染のリスク低減におけるキャンディの可能性」をテーマに講演した。

中でも、上田氏は、直近で行った研究において、アロマ成分複合体「DOMAC」配合タブレットを7日間摂取することで、舌苔を減少させ、舌表面の微生物を減らすことが明らかになったと発表。アロマ成分複合体「DOMAC」キャンディの摂取は、「舌苔を減少させることで、口腔内感染・上気道感染のリスク低減につながることが示唆されました」(上田氏)とし、今後、感染リスクが気になる人混みなどが心配な場所でも手軽な対策として、キャンディは効果が期待できるとの考えを示した。