資生堂の2020年第3四半期業績は、前年同期比22.8%減の6536億7500万円、営業利益は91.4%減の89億600万円、経常利益は94.5%減の55億6800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は136億6800万円の欠損となった。
ただ、7~9月の3カ月では、売上高は前年同期比16.4%減の2359億円、営業利益は64.1%減の123億円、経常利益は63.6%減の119億円、四半期純利益は61.5%減の77億円で着地。日本を除く各地域で第2四半期から力強く改善した。
売上高については、ユニークなマーケティング戦略と力強いEC展開、高いブランドロイヤリティなどでDrunk Elephantが好調。オーストラリア、イギリス、アジアの各国で力強い成長を見せた。また、9月にはドイツでの展開も開始し、好調な滑り出しとなっている。また、SHISEIDO、クレ・ド・ポー ボーテの2ブランドも売り上げをけん引。中国でオンライン・オフラインともにシェアを拡大したほか、海南島の展開強化、ECの好調などからこれらの地域のトラベルリテールが伸長した。こうしたスキンビューティーブランドの貢献により、スキンケア比率が1.6ポイント増加した。
市場回復が遅れる日本は、ECが2桁成長を継続。新型コロナ第2波の影響で来店者数が戻りきらない、インバウンド売り上げの激減など苦しい状況は続く一方で、ライブストリーミングなどを活用したことで13%の成長を見せた。
営業利益については、粗利益減少のうち、55%をコスト削減でカバー。このコスト削減率は、第1四半期、第2四半期と期を追う毎に高まっている。内容は、マーケティング投資の削減、業績連動賞与の減少による人件費削減、不要不急費用のさらなる見直しによる経費削減などでまかなった。
また今回の決算発表に伴い、通期見通しを再び下方修正。売上高19.1%減の9150億円、営業利益は100億円、経常利益150億円、当期純利益300億円と利益の各段階とも欠損となる見通し。