海外要因でOEMにも逆風

――2019年の化粧品業界をどう総括しますか。

神崎 過去3~4年、インバウンド需要が活発で好況が続いており、それがある程度落ち着きを見せても越境ECなどアウトバウンドが盛り上がりを見せ、好況が続いていました。急激な需要増で、メーカーは商品の供給が追い付かないといった事態に陥りましたが、それが原料や容器といったサプライヤーも供給が間に合わないというある意味異常な状態がずっと続いていました。OEM業界も受注が旺盛で、各社が必死になって生産対応したわけですが、自社だけでは到底間に合わないので、充填工程など外注できる部分についてはOEM企業がさらに再委託するといったかたちで急場をしのいできました。日本コルマーでも八尾、柏原の大阪2工場と島根県・出雲工場の3工場体制から、急増する需要に迅速に対応すべく、他社が売りに出している工場を、場合によっては従業員も譲り受ける格好で獲得。ここ数年で7工場体制へと急激に生産体制を拡大しました。直近、取得した広島工場、三重県・伊賀工場はまだまだキャパシティにも余裕があり、設備や人員が充実すればかなりの生産力アップが見込めます。ただ、19年1月に中国で施行された電子商取引法により、インバウンド・アウトバウンドのうち、かなりのボリュームを占めていた代理購買が規制され、大きな影を落としました。また、香港の政情不安により、百貨店など化粧品を取り扱っている小売店が営業できなかったことも大きな打撃となりました。海外に起因するネガティブ要因の影響を受け、業界全体で厳しい結果となりました。OEM業界も同様で、各社とも以前のような2桁成長は難しかったのではないでしょうか。

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