卸の棚割りという既成概念を打ち破る

ドラッグストアの出店競争は留まるところを知らない。日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の推計によると、2018年度のドラッグストアの市場規模は7兆2744億円(前年比6.2%増)で、店舗数は2万228店舗と3割アップした。19年度はツルハの134店舗、ウエルシアの123店舗を筆頭に、上位10社だけで約780店舗の出店が計画されている。それにマツモトキヨシホールディングス(HD)とココカラファインの経営統合が呼び水となって大手同士の経営統合や業務資本提携が進み上位企業の寡占化が加速。ドラッグストアのオーバーストアは店舗同士で品ぞろえの同質化に陥り、それがメーカーにとってさまざまなリスクを生み出している。

その一つが売り上げの鈍化だ。国内ではすでに人口減少が始まっており、化粧人口の増加も期待できない。飽和状態の化粧品市場での過度な出店競争はパイの食い合いを招き、メーカーにとってもブランド価値と売り上げを下げるだけになっている。例えば、同じエリアでドラッグストアが1店舗から3店舗に増えたとする。だがそれがメーカーにとって単純に売り上げも3倍になるわけではない。化粧品・日用品の場合は逆に、春夏、秋冬の商品の入れ替え作業、それに伴う返品、什器代、人件費などコストが3倍に膨れ上がる弊害の方が大きいという。

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