昨年中国は、建国70周年を迎え、祝うべき年だったが、実際は試練の年になった。米中貿易戦争、香港問題などが立て続けに起きたからだ。今年は、試練を乗り越えて、外交や国内経済、さらには首脳部人事などで長期的展望を持った新しい軌道に乗せていくことができるのか真価が問われる年になるだろう。
米中貿易交渉は、中国はアメリカから500億ドルもの農産物を輸入し、アメリカは追加制裁関税措置を見送るという第一段階の合意が双方の事務方で取り交わされたので、全世界がホッとし、各国の株価は軒並み上がった。その合意文書を調印するための米中首脳会談は、昨年12月に開催されるべく調整が行われたが、トランプ大統領は、アメリカ国内開催を要求したのに、中国側がそれでは露骨な大統領選挙協力になると応じず、ヨーロッパでの開催が模索されたが実現しなかった。ただし、今月開催の可能性は、まだ残っている。パフォーマンス好きなトランプ大統領はこれをもって「大成果」を誇示したいし、中国側も米中関係のさらなる悪化に歯止めをかけたい。第二段階の貿易交渉はそれ以後、始まると見られるが、合意の着地点はアメリカ大統領選挙の後になる見通しだ。
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