富士フイルムは、肌のバリア機能を維持する上で重要な役割を担うセラミドが、ストレスによって減少するメカニズムを解明。また、生薬として広く使われている「アセンヤクエキス」に、肌のバリア機能を改善する作用を見出した。

肌の最外層である「角層」は、異物の侵入を阻止するとともに、体外への水分蒸散を抑制するバリア機能を担っている。角層がセラミドで満たされた肌はバリア機能の働きが高くなるが、セラミドは加齢によって減少することが知られている。今回同社は、肌荒れの一因とされるストレスと、セラミドの減少に伴う肌のバリア機能低下の関係に着目。そのメカニズムの解明に取り組んだ。

その結果、肌内部でセラミドを生み出す器官「ラメラボディ」の表面に存在するタンパク質「ABCA12」(セラミドの原料である脂質をラメラボディ内部に取り込む役割を担う)が、ストレスによって減少すること、ABCA12の減少によって肌のバリア機能が低下するという知見を得た。また、ABCA12に関して、生薬として広く使われている「アセンヤクエキス」に、ABCA12の発現を促す作用と、肌のバリア機能を改善する作用があることを発見した。同社は、これらの研究成果を今秋発売の機能性化粧品に応用し、知見を生かしていく考えだ。