アデランスは、5月28日、男性の「メタモルフォーゼ市場(メタモル市場)」に関するメディアセミナーを開催した。
同社はメタモル市場を、気持ちを切り替えたり気分をあげることを目的として外見や見た目を変えることに関する市場と定義。その市場規模と背景の把握を目的としたアンケート調査を実施した。その結果、日本人男性の75.9%が“メタモルフォーゼ”に興味があることが判明。また今回の調査結果を基に算出した、現在の「薄毛対策」の市場は約6000億円となったが、将来市場規模(=今薄毛対策に使っても良いと思う金額)は、2倍の1兆2000億円強、さらに、メタモル市場(=外見や見た目を変えることで気持ちを切り替えたり気分を上げることに使っても良いと思う金額)は、約2兆9000億円にものぼった。これは2016年の国内化粧品市場以上の規模になる。
同メディアセミナーでは、冒頭にアデランスの津村佳宏社長が登壇し、同社のこれまでの取り組みや、“髪を着替える”女性ファッションウィッグが活性化していることを説明。男性でもその需要があるという視点からメタモル市場の可能性を語った。
その後は、ソーシャルライターの武藤弘樹氏を司会に、一橋大学大学院国際企業戦略研究科の楠木建教授、ARSセールス&クライアントマネージャー本部統括本部長の髙井竜司氏によるパネルディスカッションを行った。楠木教授はアドバイザーとしてアデランスの戦略をサポートしているほか、趣味のロックバンドとして出演する際にウィッグを使用している。また中山雅史氏のマネージャーを務める髙井氏は、かつてMr.アデランスコンテストにてファイナリストに残った経験を持つ。その二人がトークの中で実体験を交えながら語ったのは、ウィッグは自分自身のパフォーマンスに影響を与えるだけでなく、周囲とのコミュニケーションに対しても強いインパクトを与えるということ。また、楠木教授はウィッグを使用して自身を変身させることを“異日常”にしていくことで、市場がより伸びていくという可能性についても言及。さらに、メタモル市場においてファッションウィッグの口コミなどが広がることで、従来の悩みに対応したウィッグへの波及効果もあるのでは、と語った。