ドラッグストア業界5位のコスモス薬品(https://www.cosmospc.co.jp)が、標準フォーマットでの関東進出を前倒しする。1月17日の中間決算記者会見にて、横山英昭社長が言及した。これまで「(2020年7〜8月の)東京五輪後」としていた時期を早め、来期末(20年5月)までの出店を目指す。
目下、店舗開発の人員を強化し、埼玉、神奈川、千葉、茨城の4県で物件を調査している。コスモス薬品の標準フォーマットは郊外型の売り場面積600坪だが、それだけの土地が確保できない場合、敷地面積600坪で、ピロティタイプ(1階が駐車場、2階が売り場)での出店を進める方針だ。
前倒しの理由として、横山社長は「50〜100坪の小型の都市型店舗を今年春に都内でも出していく。それなら郊外型も計画を前倒しして出していこうと考えた」と語る。コスモス薬品は“副業”として、昨年5月から小型の都市型店舗の開発にも乗り出している。すでに福岡、大阪、広島の都心部で5店舗を展開。訪日外国人をターゲットにしたインバウンド型と、日本人をターゲットにした医薬品・化粧品中心の品揃えの大きく2タイプがある。
その都市型店舗は、今年の4月末から5月上旬にかけて都内でも数店舗がオープン予定。1号店と見られるのは広尾で、続いて中野、西葛西が予定されている。立地によってはオープン後の状況を見て、調剤併設も検討する。
都市型店の狙いは都市の需要を取り込むことにあるが、出店を進めることで関東での知名度が高まれば、郊外型の物件も確保しやすくなる副次的効果もありそうだ。
コスモス薬品の出店エリアは、地盤の九州から北上を続け、現在は中部・北陸エリアまで進出。昨年末現在で958店舗を展開している。標準フォーマットのコンセプトは、メガディスカウントドラッグストア。毎日特売価格のEDLPをベースに、売上構成比56%の食品と、医薬品・化粧品の接客販売で支持を獲得してきた。日本最大の市場、関東への進出でドラッグストア業界はもちろんのこと、異業種間競争がさらに激しさを増すことは必至だ。
(流通専門誌『激流』https://www.kokusaishogyo.co.jp/gekiryu/201922019.html)