中国の新興ブランドが壁を打ち破る
ここ数年、国産化粧品ブランドの躍進に伴い、中国化粧品業界では医薬品小売店(以下、薬局)市場を開拓する動きが活発になっている。中国国家薬品監督管理局(NMPA)の統計によると、2019年から24年の間に、全国の薬局数は52万4000店から68万3700店に増加したことで、24年の薬局における医薬品の売上高は5019億元に達しており、薬局市場は急拡大してきた。多くの化粧品企業にとって、薬局は化粧品販売が拡大する可能性が見込まれる新たな戦場となりつつある。
実際、化粧品企業が薬局市場に大きな関心を見せたことはここ数年で初めてだが、20数年前にも同じようなことがあった。1998年、フランス発のスキンケアブランド「ヴィシー」は、「薬局専用スキンケア商品」というコンセプトで中国の薬局市場に参入し、中国における化粧品ブランドの薬局チャネル展開の先駆けとなった。ピーク時には、ヴィシーは中国全土の3000店以上の薬局で販売され、年間売上高は15億元に達したという。ヴィシーの大成功に続き、国内外のブランドも相次ぎ薬局での販売を開始し、一時、「薬粧(薬用化粧品)」という用語も流行していた。
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