I-ne
睡眠時の肌修復機能を高める独自成分コンプレックスを創出
I-neは、睡眠時に肌の修復に作用することが知られている「メラトニン」に対して、当該効果を最大化する重要要素である「メラトニンシステム」に広範に作用できる独自成分コンプレックスの創出に成功した。この独自成分コンプレックスにより、睡眠時の肌修復機能を最大限に高める効果が期待される。
同社は夜間の美容習慣の質と効率を高めるための新知見・技術の探究を行い、Social Beauty Innovatorsとして、同技術の応用、市場への価値創出を続けることで、理念である「Chain of Happiness」の実現に取り組み続けていくとしている。
睡眠と肌は密接に関係しており、睡眠中に、紫外線や外的ストレスによって生じたダメージの修復に取り組む「肌再生のゴールデンタイム」を迎えるといわれている。近年、夜間に増えるメラトニンが肌の修復に重要な因子であることが解明され、メラトニンが日中に受けた紫外線や活性酸素などのダメージから肌自らを修復させる作用があると考えられるようになった。メラトニンは強力な抗酸化作用、DNA修復促進、細胞保護など多面的な機能を持ち、主に睡眠時に作用することから、「熟睡美肌因子」と位置付けることができる。
一方、昨今睡眠不足に悩む人は5人に1人といわれている(厚生労働省 令和4年 国民健康・栄養調査の結果より)。これは身体だけでなく肌への影響も非常に大きく、肌再生の妨げとなっていると考えられており、たった一晩の睡眠不足でも、肌の保湿力、弾力性、透明感、毛穴目立ちなど多くの影響を与えることが報告されている(J.cosmetics, dermatological sciences and applications,2017,7, 34-47)。
睡眠不足による肌再生の妨げに対するケアは、QOLを高めるうえで非常に重要な課題である。メラトニンの作用の強弱は、複数の要因でコントロールされている(メラトニンとして働く、メラトニンを作らせる、メラトニンの感度を上げる)。これまでそれぞれの要因に対するケアは存在していたが、これらに包括的に働きかけることで効果的に作用できる「メラトニンシステム全体へのケア」はほとんどなかった。
同社は、この「肌メラトニンシステム全体」に着目し、
•(メラトニンの感度を上げる成分)メラトニン受容体(MT1)の発現亢進
•(肌メラトニンを作らせる成分)皮膚内メラトニン産生促進
•(メラトニンとして働く成分)メラトニン様作用(メラトニンミメティクス)
という3方向のアプローチを同時に実現する3種エキスの独自成分コンプレックスの開発を実現した。
まず、表皮細胞のメラトニンの感度を上げる成分(メラトニン受容体の発現亢進)を探索する為に、メラトニン受容体MT1を指標にさまざまな成分をスクリーニングした結果、ウワバミソウ発酵成分(アスペルギルス培養物)に表皮細胞のメラトニン受容体の遺伝子MTNR1Aの発現を高める効果を発見した。
探索は、ヒト不死化表皮正常角化細胞にウワバミソウ発酵成分を1.0ppmで添加し、KGM培地で24時間培養。細胞からRNAを抽出しMTNR1Aの発現量についてリアルタイムqPCRを用いたΔΔCt(デルタ・デルタシーティー)法にて解析した。
さらに、このウワバミソウ発酵成分に、クチナシ果実エキス(メラトニンとして働く成分)、ラバンデュラハイブリダエキス(肌メラトニンを作らせる成分)を加えた3成分を用い検討した結果、メラトニンシステムが最適に働ける最適濃度を発見することができた(メラトニン作用の指標として、メラトニンの代表的な効果である酸化ダメージに対する防御作用を指標に評価)。
ウワバミソウ発酵成分のMTNR1A(メラトニン受容体)発現
平均値 ±S.D. n=3~4、t検定 P<0.05[/caption]
実験方法は、不死化表皮正常角化細胞に独自コンプレックスを含む10%FBS含有DMEMにて24時間、細胞を培養した。24時間培養後、終濃度60mMとなるように酸化ダメージ試薬(tert-Butyl hydroxyperoxide)を添加し、37度、5%CO2条件下で2時間培養。各検体を含む培地を再度加えて24時間培養後、WST-8を用い、細胞生存率を測定した。