化粧品の免税売り上げは堅調に推移
高額品が飛ぶように売れ、我が世の春を謳歌した百貨店のインバウンド戦略が曲がり角を迎えている。日本百貨店協会によれば、インバウンド売り上げは3カ月連続で前年割れが続く(表1)。コロナ後、訪日客数は右肩上がりで増え、円安効果が後押しして高額品が売れたが、2025年に入って高額商材の購買が減り客単価が減少。25年5月のインバウンド購買客数も38カ月ぶりにマイナスに転じ、前年同期比5.4%減の53万6000人と苦戦。免税総売上高は同40.8%減の約425億6000万円になっている。これが百貨店の業績を直撃。売上総額(インバウンドを含む)は、25年2月から4カ月連続で前年比マイナス(表1)。商品別で見ても、高額品の「美術・宝飾・貴金属」が4カ月連続マイナスとなっている。
ところが、化粧品のインバウンド需要は底堅い。消耗品売上高(化粧品、食料品等)は約79億3000万円(前年同月比3.4%減)と、一般物品売上高(同45.6%減)に比べ、減少幅は非常に軽微だ。国内とインバウンドを合わせた化粧品の売り上げは39カ月連続プラスを記録している。特に春節の影響が大きい1月と2月は、主要10都市の中でも東京と関西圏の化粧品販売が好調。例えば1月は東京が9.0%増、大阪が17.3%増、京都が23.5%増。また、訪日外国人に人気の観光エリアである札幌も化粧品は36.6%増となっている。
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