トラベルリテールでSENSAIが急成長

花王のスクラム型運営がインバウンド戦略で効果を発揮している。2023年8月発表の中期経営計画「K27」で、同社は事業部門と機能部門を縦軸と横軸で組み合わせる伝統のマトリックス型組織運営から脱却を宣言。タスクに合わせて編成した組織横断チームが目標達成の最速・最大化を目指すスクラム型運営に舵を切った。インバウンド戦略の中核を成すのは「SENSAI」「KANEBO」「キュレル」などの主力ブランド群。各ブランドがスクラム型運営を敷いて訪日客にアタックし、売り上げを伸ばしている。訪日客の国籍の多様化を生かし、欧米市場開拓の種まきにも活用。インバウンドは花王のグローバル戦略にとって、重要な取り組みになっている。

スーパープレステージブランド「SENSAI」は、日中トラベルリテール(TR)全体で前年比300%という驚異的な成長を遂げている。欧州発のブランド「SENSAI」は19年に日本市場に上陸。翌20年に中国市場に進出し、23年10月に上海に旗艦店を置いた。同時に現地の富裕層を最高級ホテルの体感イベントに招き、ブランドの世界感や商品を体験する人を増やし続けている。少しずつ現地SNS「小紅書(RED)」に投稿する美容インフルエンサーが増え、ユーザー生成コンテンツ(UGC)は質量ともに改善している。

日本と中国の連動で売り上げを伸ばすSENSAIの事例

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