国内市場縮小は外需で補う
インバウンド消費に急ブレーキがかかった。2025年の訪日客数は過去最高だった昨年(3687万人・日本政府観光局)を20%以上も上回るペースなのに、百貨店の25年5月免税売上高は前年同月比約41%減。3カ月連続の前年割れに陥っている。背景には25年1月末の春節以降、為替が円高に転じ割安感が薄れ、さらにトランプ政権発足後の世界経済の後退懸念などが重なり、訪日客が財布の紐を固くしていることがある。ところが、化粧品の売れ行きは堅調に推移。25年1〜3月の化粧品・香水の購入者単価は、前年同期比10.2%増の2万4675円である(観光庁)。
訪日客に化粧品が人気なのは、大きく二つの理由がある。一つ目は高級ブランドと言っても、時計やバッグなどに比べれば価格が安いことだ。スキンケアや香水は毎日使う消費財で購入頻度が高いから、手を伸ばしやすい。
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