高砂香料工業の2025年3月期通期業績は、売上高が前年比17.0%増の2292億700万円、営業利益562.4%増の153億4100万円、経常利益225.3%増の153億1100万円、親会社株主に帰属する当期純利益393.8%増の133億2500万円と増収増益だった。

フレーバー部門、フレグランス部門、アロマイングリディエンツ部門、ファインケミカル部門の各部門が好調だった。利益は、増収に伴い売り上げ総利益が大幅に伸長した一方で、売上原価、販管費の伸びが抑えられたことで各段階とも3桁の伸長となった。

部門別売上高は、フレーバー部門が米国子会社において飲料向け等が堅調に推移したことで9.8%増の1198億3400万円、フレグランス部門は米国子会社において出荷調整の状況が改善したこともあり18.8%増の744億7100万円、アロマイングリディエンツ部門はスペシャリティ品が好調に推移し20.7%増の156億7200万円、ファインケミカル部門は医薬品中間体等が好調に推移し84.0%増の178億2000万円となった。その他不動産部門は0.1%減の14億800百万円だった。

セグメントの業績は、日本は売上高1.7%の735億5200万円、営業利益229.5%増44億7800万円と増収増益。フレーバー部門において飲料向け等が堅調に推移したことが増収をけん引した。利益はアロマイングリディエンツ部門での製品構成の最適化やファインケミカル部門でのセグメント間の内部売上高増加を主因として利益率が改善した。

米州は、売上高32.2%増の665億3500万円、営業利益1514.5%増の25億8200万円と大幅な増収増益。前期末に米国子会社で新基幹システム導入に伴い発生した出荷調整の状況が改善したほか、製品構成・販売価格・原材料の最適化を通じて売上総利益が改善した。

欧州は、売上高18.2%増の393億2400万円となり、営業利益は24億5500万円の黒字転換(前期は12億4700万円の欠損)。売り上げはフランス子会社およびドイツ子会社等が好調に推移したことで伸長。利益は製品構成・販売価格・原材料の最適化を通じて売上総利益が改善したことで反転した。

アジアは、売上高24.5%増の497億9400万円、営業利益122.9%増の49億4900万円と増収増益。シンガポール子会社およびインドネシア子会社等が好調に推移したことが好業績につながった。

26年3月期通期業績は、売上高0.3%増の2300億円、営業利益18.5%減の125億円、経常利益15.1%減の130億円、親会社株主に帰属する当期純利益12.2%減の117億円と増収減益の見通しだ。