ロート製薬の2025年3月期通期業績は、売上高が前期比14.0%増の3086億2500万円、営業利益2.8%減の389億3900万円、経常利益4.7%減の404億3000万円と増収減益。親会社株主に帰属する当期純利益は0.2%増の310億600万円で、ほぼ横ばいとなった。

売り上げは、国内では「ロートV5」やリップクリーム、新ヘアマスク「GYUTTO」などの好調に加え、新たに株式を取得したシンガポールの漢方薬等製造販売企業であるユーヤンサン・インターナショナル社やオーストリアの医薬品・医療機器等製造販売企業であるモノ社を連結の範囲に含めたことによる増収もあり大幅伸長。一方、利益面ではのれん償却費や研究開発費の増加が利益を圧迫した。

地域別にみると、日本は売上高5.2%増の1649億8800万円。「ロートV5」や「肌ラボ」、日やけ止め、高価格帯の目薬などがけん引したほか、国内グループ会社のロートニッテンも増収に寄与した。セグメント利益は8.1%減の224億5300万円となった。

アメリカは、売上高11.9%増の207億6900万円。OTC目薬や医療用消毒薬、ブラジル子会社のスキンケアブランドが好調だった。セグメント利益は27.9%増の15億4200万円となった。

ヨーロッパは、売上高38.0%増の191億6300万円と大幅増で着地。ポーランドのダクス・コスメティクスがけん引し、「Hadalabo Tokyo」などが好調だったほか、モノ社の連結も増収要因となった。セグメント利益は2.9%増の14億2500万円。

アジアは、売上高27.4%増の1003億3600万円と大幅に伸長。ベトナム・インドネシアの好調に加え、ユーヤンサン社の寄与が大きかった。一方、ミャンマーでは輸入規制の影響で大幅減収。セグメント利益は2.2%増の122億8900万円となった。

2026年3月期通期業績は、売上高8.4%増3345億円、営業利益0.2%増の390億円、経常利益0.2%増の405億円、親会社株主に帰属する当期純利益0.3%増の311億円を見込む。