ロート製薬の2025年3月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比12.3%増の2258億9500万円、営業利益が同8.5%減の322億6700万円、経常利益が同10.4%減の333億8300万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同5.2%減の248億600万円と増収減益になった。

国内においては、お客のニーズに合った商品提案やインバウンド需要の増加により増収となった。海外においても、お客のニーズに合った商品提案や円安の影響に加えて、新たに株式を取得したシンガポールの漢方薬製造販売企業ユーヤンサン・インターナショナル社やオーストリアのモノ社を連結の範囲に含めたことにより増収となった。利益面については、原価率の上昇に加え研究開発費の計画的な増加により販売費及び一般管理費が増加した結果、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益については減益となった。

地域別業績をみると、日本の売上高は前年同期比6.9%増の1262億4500万円と増収だった。新製品が好調なリップクリームやサプリメントの「ロートV5」、「肌ラボ」、「メラノCC」、高額目薬等が引き続き好調に推移した。国内グループ会社においては、ロートニッテンやクオリテックファーマが増収に寄与した。セグメント利益については、原価率の上昇に加え研究開発費など販売費及び一般管理費の計画的な増加により同14.7%減の184億8300万円と減益となった。

アメリカの売上高は、同10.6%増の151億4700万円と大幅な増収となった。米国のOTC目薬や、医療用消毒薬等を製造・販売するハイドロックス・ラボラトリーズ社が好調に推移した。また、「肌ラボ」が好調なブラジルの連結子会社も増収に貢献した。セグメント利益については、ハイドロックス・ラボラトリーズ社やブラジルの連結子会社の利益改善が貢献して、同12.4%増の10億8400万円と大幅な増益となった。

ヨーロッパの売上高は、同27.4%増の134億1000万円と大幅な増収となった。主力の消炎鎮痛剤は中東向けの出荷時期のずれの影響などで減少したものの、ポーランドのダクス・コスメティクス社が「Perfecta」や販売国を拡大した「Hadalabo Tokyo」の好調を受け増収に貢献した。また、21年から「ロートドライエイド」により目薬市場の開拓を進めており、好調に推移している。加えて、オーストリアのモノ社も売り上げに貢献。セグメント利益については、主力の消炎鎮痛剤の減収と原価率の上昇により、同6.3%減の9億7700万円と減益となった。

アジアの売上高は、同20.8%増の685億4700万円と大幅な増収となった。引き続きベトナム、インドネシアなどの東南アジアが好調に推移。加えてユーヤンサン・インターナショナル社が売り上げに寄与した。一方、ミャンマーでは輸入規制の厳格化の影響を受けて原材料や製品の輸入が困難になり引き続き大幅な減収となった。商品別ではフケ抑制シャンプー「セルサン」、「肌ラボ」、日やけ止め等が増収に寄与した。セグメント利益については、ユーヤンサン・インターナショナル社ののれんの償却に加えミャンマーの減収による影響があり、同0.2%減の108億1500万円となった。

25年3月期の連結業績予想は、24年8月発表の予想を据え置き、売上高が18.2%増の3200億円、営業利益が7.9%増の432億円、経常利益が4.2%増の442億円、親会社株主に帰属する当期純利益が4.1%増の322億円と増収増益を見込む。