アイスタイルの2025年6月期第2四半期決算は、増収増益であった。売上高は前年同期比で22.0%増の330億7200万円、営業利益は同75.8%増の14億9500万円である。国内で展開しているマーケティング支援事業とリテール事業が業績をけん引。期末配当予想を修正した。

マーケティング支援事業は、コスメ・美容の総合サイト「@cosme(アットコスメ)」を基盤とした化粧品ブランド向けの広告ソリューションやMarketingSaaS(ブランドオフィシャル)を展開している。売上高は、大手化粧品ブランドだけでなく、中堅・新興ブランドとの取引拡大により、同11.3%増になった。営業利益は、リテール事業からの@cosme商標に関するライセンス料による利益計上(セグメント間取引)に加えて、限界利益率の高い事業モデルであるため、増収寄与が効率的に利益拡大につながり、50.0%増になった。

リテール事業は、化粧品ECサイト「@cosme SHOPPING(アットコスメショッピング)」、化粧品専門店「@cosmeSTORE(アットコスメストア)」などの国内における小売業を中心としたサービスを展開している。売上高は、ECが引き続きプラットフォーム連携による新規顧客の獲得や12月の販売イベント「@cosme BEAUTYDAY」の成功により、同28.0%増。店舗は、新規出店や既存店改装による延床面積の拡大に伴い、ネットとリアルを融合した体験が生活者にさらに浸透したことで、28.2%増となった。セグメント全体では28.1%の増収である。営業利益は、マーケティング支援事業に対するライセンス料の支払い(セグメント間取引)や、前述のイベントに伴うプロモーション費用の計上があったものの、増収寄与が費用増を吸収し26.3%増となった。

グローバル事業は、日本国外で展開するEC・卸売、店舗、メディアなどを展開。売上高は、依然厳しい市場環境を踏まえ、中国越境ECの販売戦略を見直した結果、セグメント全体で同2.5%減収となった。一方、利益率の高いBtoBサービスに注力したことにより、韓国事業における日本進出支援などが成長。営業利益は、利益率の高いBtoBサービスの増収によって韓国事業が黒字化し、前年同期比で赤字幅を縮小した。

通期予想は上方修正した。売上高は、マーケティング支援事業の取引高が計画よりも拡大し、リテール事業の延床面積拡大、ネットとリアルを融合した体験が想定以上に生活者に浸透したことなどを受け、前回予想から3.1%増の660億円にした。また、マーケティング支援事業やリテール事業の増収が各段階利益の増益に貢献し、営業利益は同16.7%増の28億円、経常利益は同20.8%増の29億円、当期純利益は同18.8%増の19億円である。

月刊『国際商業』2025年04月号掲載