アイスタイルの2025年6月期第1四半期業績は、売上高が前年同期比20.8%増の150億3800万円、営業利益が107.1%増の7億6200万円、経常利益が140.5%増の8億3900万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が252.0%増の6億300万円と、増収大幅増益となった。売り上げは、国内で展開しているマーケティング支援事業及びリテール事業が業績をけん引した。利益面では、売上高と同様にマーケティング支援事業およびリテール事業が増益に寄与し、人材関連費用の増加等を吸収した。
セグメント別にみると、「@cosme(アットコスメ)」を基盤とした、化粧品ブランド向けの広告ソリューションやMarketing SaaS(ブランドオフィシャル)が属す マーケティング支援事業は、売上高が9.8%増の22億9800万円、営業利益が36.8%増の6億6200万円。売上高においては、ソリューション価値の浸透により需要期における取引単価が増加したことで、売り上げを押し上げた。営業利益は、増収幅が人材関連費用等の増加を上回ったことや、リテール事業からの@cosme商標に関するライセンス料による利益計上(セグメント間取引)により、増益となった。
化粧品ECサイト「@cosme SHOPPING(アットコスメショッピング)」、化粧品専門店「@cosmeSTORE(アットコスメストア)」など、国内における小売業を中心としたサービスを展開するリテール事業は、売上高が28.7%増の113億5400万円、営業利益が38.3%増の7億1400万円となった。売上高は、ECでは、引き続きプラットフォーム連携による新規顧客の獲得や、リテールイベントにおいて獲得したユーザーの定着化により増収をけん引。店舗では、前期オープンした大阪の大型旗艦店「@cosme OSAKA」が前期1カ月計上に対して今期は3カ月計上であることや、既存店舗の成長および改装効果が寄与したことで増収となった。営業利益は、改装店舗における閉店期間内の費用や、マーケティング支援事業に対するライセンス料の支払い(セグメント間取引)があったものの、増収が費用増を吸収した。
グローバル事業は、売上高が9.3%減の9億99oo万円、営業利益は1400万円の欠損となった。依然厳しい市場環境を鑑み販売戦略を見直した中国越境ECや、現地の個人消費が冷え込んでいる香港店舗の影響によりセグメント全体で減収となったが、今期戦略に基づき利益率の高いBtoBサービスに注力したことで、韓国事業が日本進出支援によって増収となり、メディアサービスの成長を牽引した。営業利益は、利益率の高いBtoBサービスの増収によって韓国事業が黒字化し、前年同期比で赤字幅を縮小しての着地となった。
美容部員を派遣する人材派遣事業と、ユーザー向けのBtoC課金サービス、創業間もない企業も含め幅広い成長ステージの企業に投資する投資育成事業が属するその他事業においては、売上高が10.8%減の3億8700万円、営業利益が1.8%増の6100万円。人材派遣事業における一部サービスの終了を受け減収となった一方で、営業利益は人材派遣事業において比較的に収益性の高い案件の維持により前年同水準での増益となった。
25年6月期通期業績予想は、売上高が14.1%増の640億円、営業利益が23.7%増の24億円、経常利益が39.4%増の24億円、親会社株主に帰属する当期純利益が31.8%増の16億円と期初予想を据え置いた。