昨年10月、国会での審議を経て鳴り物入りで導入されたステルスマーケティングへの規制。ステマ行為自体で即違反を問える景品表示法の特殊類型である「告示」による取り締まりで、対象は全業種。可否のラインが解釈上非常に広く判然としており、事業者は緊張を強いられていた。施行後、しばらくは違反摘発がなく、拍子抜けの感もあった。ところが今年6月から3件の事例が現出。2件は大手でステマ規制発動を知らしめた。一方で事件の中身をみるとステマ告示の本質的な矛盾も感じさせる。ミスや知識不足で「ステマ」とされる危険性があり、体験談や口コミをマーケティング的に活用する化粧品やサプリメントの企業は十分な注意が必要だ。
法的なステマの定義はシンプルだ。「事業者が自己の供給する商品または役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」。これに適合すると景表法違反となる。景表法が主にターゲットとする「優良誤認」「有利誤認」は表示と実態の乖離が「著しい」か否かが問題となる。ステマ規制はそうではなく、「形」にはまれば即座に違反となる。そのため、NGパターンを正確に把握する必要がある。
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