市場拡大は今後も続く
大手化粧品メーカーの美容医療市場参入が相次いでいる。ポーラ・オルビスHDは2023年8月に医療機関・クリニック向けの事業を担うポーラメディカルを設立。24年1月に第一弾商品「Dive(ダイヴ)」を発売した。コーセーは24年8月、お客自身のiPS細胞から抽出した成分「iPSF」配合のパーソナライズ美容商品を提供する実証実験を開始。そして同10月、日本ロレアルは美容施術スキンケアブランド「スキンシューティカルズ」を日本市場に導入する。美容医療における化粧品の役割は、施術効果の最大化と術後ケアの二つ。化粧品メーカーは、研究開発で培った技術を生かし、新しい顧客接点創出に動き出している。
大手メーカーの参入を後押ししているのは、美容医療市場の拡大である。市場規模(医療施設収入高ベース)は、20年の4050億円から右肩上がりに成長し、23年は前年比8.8%の5940億円になった(矢野経済研究所)。コロナ下のマスク生活で目元回りの美容施術のニーズが増加。そして施術後にダウンタイム(痛みや赤み、腫れ、むくみ、内出血などが回復するまでの期間)があることから、他人との接触が少ないコロナ下にしわ・たるみを改善する人が増え、市場が活況になっている。実際、年間施術数は19年が123万回、20年が47万3000回、21年が202万8000回、22年が373万2000回と急増している(日本美容外科学会の全国美容医療実態調査)。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。