サンスターは、「サンスター Mouth&Body メディアセミナーVol.3」を2024年9月20日に開催した。

第1回の「女性ホルモンと歯周病」、第2回の「防災とオーラルケア」に続き、第3回目となる今回のメディアセミナーでは、今年4月1日に日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイル学会によるオーラルフレイルに関する3学会合同ステートメントが発表されたことを受けて開催。東京都健康長寿医療センターの平野浩彦歯科口腔外科部長が「40代から始めるオーラルフレイル予防のススメ」のテーマで講演した。

平野部長は、3学会共同で発表したステートメントの中で、〝オーラルフレイルは、歯の喪失や食べること、話すことに代表されるさまざまな機能の「軽微な衰え」が重複し、口の機能低下の危険性が増加しているが、改善も可能な状態である。〟とするオーラルフレイルの新たな定義を伝えた。

その定義に照らして、滑舌、咬合力、食塊形成(咀嚼)、舌圧など口腔機能低下を測る項目について調査したところ、40代から口腔機能低下症の割合が高まることが判明。その後、オーラルフレイルと健康寿命に強い関連性があるデータを示し、「40代でも遅いくらいかもしれない」とより早期の対策がカギになるとの認識を示した。

続けて、オーラルフレイルの対処法として、日本歯科医師会がホームページ上で公開する口腔体操を実践することや、口腔衛生指導、口腔機能向上訓練を行うことでオーラルフレイルと関連するとされる認知機能の改善が見込まれることを伝えた。

続いて、サンスターグループ研究開発統括部の永谷美幸氏が、サンスターのオーラルフレイル予防への取り組みを紹介。「サンスターオーラルフレイルケアプロジェクト」を立ち上げ、オーラルフレイルに関する啓発活動を進めていることを明らかにした。例えば、オーラルフレイルに関する意識調査では、平野部長が対策が必要な年代として示した40代は、オーラルフレイルを自分事化できていないことが浮き彫りになった。これを受けサンスターでは、まずはオーラルフレイルを自分事化してもらうことに重心を置いて啓発活動を実行していく。

また、将来の「抑うつ傾向」「軽度認知機能低下」の新規発症リスクがそれぞれ1.53倍、1.55倍に高まること、「重度歯周炎」は将来のオーラルフレイル新規発症リスクが1.42倍に高まる、といった最新研究を紹介。オーラルフレイルを予防する具体的な方法として、歯の喪失を予防するブラッシング、歯間清掃、リンシング(洗口)といったオーラルケアの実践、口腔機能維持のためのチェック&トレーニングアプリ「おくち元気チェック」を示した。

月刊『国際商業』2024年11月号掲載