韓国のシェアが拡大

日本輸入化粧品協会は5月17日、2024年1~3月期の化粧品輸入実績を公表した。歯磨、石鹸等は除く24年1~3月期の輸入実績は、1001.8億円(前年同期856.0億円、前年同期比117%)となり、引き続き前年を上回った。今期は「香水・オーデコロン類」(前年同期比120.5%)、「カラーメーキャップ類」(前年同期比132.2%)、「ベースメーキャップ・皮膚用化粧品類」(前年同期比114.3%)はいずれも前年を上回ったものの、「頭髪用化粧品類」(前年同期比99.5%)は前年とほぼ同額だった。

国別では、引き続き韓国が首位で293.2億円(前年同期217.6億円、前年同期比134.7%)と好調。続いてフランスが245.3億円(前年同期189.2億円、前年同期比129.7%)となっている。そのシェアを見ると、韓国の29.3%に対しフランスは24.5%と差が開き始めている。

2024年4月の全国財務局長会議における経済情勢判断では、「一部に弱さが見られるものの緩やかに回復しつつある」としている。

今期からベースメーキャップ・皮膚用化粧品類を統合

(1)香水・オーデコロン類

全体で97.4億円(前年同期80.8億円、前年同期比120.5%)と、前年を大きく上回った。この分野ではフランスが64.9%と圧倒的なシェアを占めている。今期も実績は63.2億円(同52.4億円、同120.6%)と伸長した。第2位はイタリアで6.5億円(同5.5億円、同118.9%)。第3位イギリスは5.8億円(同6.1億円、同95.6%)と減少している。

(2)カラーメーキャップ化粧品類

全体では、164.4億円(前年同期124.3億円、前年同期比132.2%)となり、前年を大きく上回った。口紅類は80.9億円(同41.0億円、同197.4%)と倍増し、アイメーキャップ類は61.9億円(同62.4億円、同99.3%)と前年並み、ネールズ類は21.5億円(同21.0億円、同102.5%)と漸増した。

国別では首位の韓国56.0億円(同34.1億円、同164.5%)、2位フランス44.4億円(同26.2億円、同169.4%)と大きく伸長し、3位中国は36.0億円(同31.1億円、同115.6%)だった。4位アメリカは11.6億円(同14.9億円、同77.7%)と前年を下回り、5位イタリア7.5億円(同7.4億円、同100.8%)と前年並みの実績だった。

なお、韓国、フランス、中国の上位3カ国で全体シェアの83%を占めている。

類別に国ごとに見ると、「口紅類」は、1位韓国は35.5億円(同14.5億円、同244.6%)、2位フランス29.9億円(同13.7億円、同218.8%)、3位中国7.4億円(同4.2億円、同177.4%)と3カ国とも前年を大きく上回った。

「アイメーキャップ類」は、首位の韓国は19.7億円(同18.8億円、同104.7%)と漸増。2位の中国は16.5億円(同17.4億円、同94.8%)と前年を下回った。3位のフランスは9.7億円(同6.6億円、同147.8%)と大幅に伸長した。上位3カ国で全体の74%のシェアを占めている。

「ネールズ類」では、1位中国12.1億円(同9.5億円、同126.8%)、2位フランス4.8億円(同6.0億円、同80.2%)、3位アメリカは1.8億円(同2.7億円、同66.0%)だった。

(3)ベースメーキャップ・皮膚用化粧品類(ボディ含む)

全体では、441.8億円(前年同期386.5億円、前年同期比114.3%)となり、前年を上回った。国別では、韓国が186.1億円(同154.0億円、同120.9%)と引き続き好調で、シェアの42.1%を占めている。次いでフランス121.2億円(同98.5億円、同123.0%)がシェアの27.4%を占めており、両国で合わせて7割に上る。3位アメリカは46.8億円(同56.5億円、同82.9%)と大幅に減少している。4位中国14.8億円(同8.3億円、同179.6%)、5位イタリア11.6億円(同10.5億円、同111.1%)と続く。

(4)頭髪用化粧品類

全体で142.2億円(前年同期142.9億円、前年同期比99.5%)と前年横ばい。この頭髪用化粧品類では、他の美類と異なり他国の実績合計が、81.9億円(同88.0億円、同93.0%)で全体の57.6%を占めているのが特徴。この分野で代表的なシャンプーとコンディショナー・整髪料の実績で見ると、とりわけタイが、シャンプーでは23.1億円(同23.6億円、同97.7%、シャンプー全体の54.5%)、コンディショナー・整髪料では39.1億円(同41.7億円、同94%、全体の39.6%)となり、これら2品目の輸入実績が他国を圧倒する状況となっている。その他の国では、フランス14.2億円(同9.4億円、同151.6%)、中国13.4億円(同13.7億円、同97.7%)、アメリカ13.2億円(同12.5億円、同105.4%)と続く。

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次回は、2024年8月に2024年の上半期(1~6月)の実績を報告予定である。

月刊『国際商業』2024年07月号掲載