韓国化粧品が好調で、首位フランスに迫る勢い

日本輸入化粧品協会は2021年5月12日に同年1月~3月期の化粧品輸入実績を発表した。歯磨、石鹸等は除く輸入実績は、652.7億円(前年同期648.3億円、前年同期比100.7%)となり、コロナ発生後初めて期間の輸入実績が前年を上回った。

カテゴリー別では、「香水・オーデコロン類」(同67%)、「カラーメイキャップ類」(同88.6%)、「ベースメイキャップ化粧品類」(同89.2%)が前年を下回ったが、「皮膚用化粧品類」(同103.6%)、「頭髪用化粧品類」(同105.8%)は前年を上回った。

国別では、相変わらず韓国が好調で、同120.1%と伸長し、シェアでも前年同期と比べ18.2%から21.7%とアップし、首位のフランス(23.5%)に迫っている。

輸入実績(前年対比と全体実績・出典;日本輸入化粧品協会)

2021年1月〜3月期化粧品輸入実績(前年対比と全体実績・出典;日本輸入化粧品協会)

タイからシャンプー、ヘアオイル、クリーム等整髪料の輸入量が急増

(1)香水・オーデコロン類

全体で43.9億円(同65.6億円、同67.0%)となり、前年を大きく下回った。この分野ではフランスが65.5%と圧倒的なシェアを占めているが、今期も実績は28.8億円(同36.7億円、同78.4%)と減少している。第2位イタリア5.1億円(同12.4億円、同40.8%)、第3位アメリカ2.8億円(同4.2億円、同65.8%)も軒並み大幅に減少している。

(2)カラーメイキャップ化粧品類

全体では、92.2億円(同104.0億円、同88.6%)となり、前年を下回った。口紅類が31.2億円(同55.0億円、同56.8%)と下落に歯止めがかかっていない。一方、アイメイキャップ類は48.7億円(同38.6億円、同126.3%)、ネイル類は12.3億円(同10.5億円、同117.2%)と伸長している。国別では首位のフランス24.9億円(同35.4億円、同70.4%)は前年を大きく下回った。2位の韓国23.7億円(同28.2億円、同84.0%)も下回っている。以下3位中国16.1億円(同11.6億円、同139。0%)、4位アメリカ10.4億円(同10.8億円、同96.3%)、5位イタリア10.0億円(同4.8億円、同207.5%)となっている。なお、フランス、韓国、中国の上位3カ国で全体シェアの70.1%を占めている。

さらに類別&国別に見ると、口紅類は、全体では前述したように、売り上げを大きく下げている。1位のフランスは12.2億円(同25.8億円、同47.3%)と前年を大きく下まわった。2位韓国も8.7億円(同14.0億円、同62.3%)と大きく下げている。3位のイタリア3.6億円(同1.7億円、同208.4%)、4位の中国は3.1億円(同2.3億円、同135.3%)と伸長した。

眼の周りのアイメイキャップ類は、首位の韓国14.6億円(同13.5億円、同108.1%)、2位の中国9.1億円(同7.4億円、同122.7%)、3位フランス8.5億円(同6.1億円、同140.0%)とも売り上げが伸長した。上位3カ国で全体の70%のシェアを占めている。

マニキュア(ペディキュアを含む)では、1位フランス4.2億円(同3.5億円、同120.8%)、2位中国3.8億円(同1.8億円、同210.6%)は伸長し、3位アメリカは1.5億円(同2.2億円、同68.8%)と前年を下回った。

(3)ベースメイキャップ化粧品類

全体では、62.2億円(同69.7億円、同89.2%)となり、前年を下回った。国別では韓国が36.8億円(同32.8億円、同111.9%)と好調で、ベースメイク類のシェアの6割(59.1%)を占めている。次いでフランス13.4億円(同19.8億円、同67.9%)、イタリア4.2億円(同4.6億円、同91.3%)、アメリカ3.3億円(同6.3億円、同52.5%)、中国2.2億円(同1.9億円、同114.3%)と続いている。

(4)皮膚用化粧品類(ボディ含む)

全体では、229.6億円(同221.7億円、同103.6%)となり、前年を上回った。この分野でトップのフランスは72.4億円(同75.2億円、同96.3%)で前年を僅かに下回ったが、第2位の韓国59.0億円(同41.6億円、同141.8%)は前年を大きく上回った。第3位のアメリカも47.1億円(同37.0億円、同127.1%)と売り上げを上げている。この3カ国で、全体の8割近く(77.7%)を占めている。4位のイギリスは5.5億円(同16.4億円、同33.7%)と大きく落としている。次いでドイツ5.4億円(同5.0億円、107.6%)、中国3.7億円(同3.1億円、同120.5%)と続いている。

(5)頭髪用化粧品類

全体で119.0億円(同112.5億円、同105.8%)と前年を上回った。この頭髪用化粧品類では、他の美類と異なり他国の実績合計が、75.0億円(同71.8億円、同104.6%)で全体の63.0%を占めているのが特徴である。この分野で代表的なシャンプーと整髪料の実績で見ると、特にタイが、シャンプーでは23.6億円(前年同期22.4億円、前年同期比153.0%、シャンプー全体の62.5%)、ヘアオイル、クリーム等整髪料では32.9億円(前年同期34.1億円、前年同期比96.4%、整髪料全体の41.1%)となり、これら2品目の輸入実績が他国を圧倒する状況となっているその他の国では、アメリカ11.7億円(同11.9億円、同98.8%)、フランス10.4億円(同6.2億円、同167.6%)中国10.1億円(同10.6億円、同95.8%)と続いている。

なお、2021年上半期(1~6月)の実績は21年8月に公表予定である。