韓国、フランスのワンツーフィニッシュは変わらず
日本輸入化粧品協会は2024年2月9日に、23年1~12月の化粧品輸入実績を発表した。歯磨、石鹸等は除く輸入実績は3770.7億円(前年同期3318.2億円、前年同期比113.6%)となり、前年を上回る実績となった。
各四半期の実績推移を見ると、第1四半期(1~3月)856.0億円(同737.1億円、同 116.1%)、第2四半期(4~6月)903.3億円(同817.4億円、同 110.5%)、第3四半期(7~9月)1027.6億円(同893.4億円、同 115.0%)、第4四半期(10~12月)983.8億円(同870.3億円、同 113.0%)となり、各四半期すべてにおいて前年を上まわる結果となった。また、各美類についても前年を上まわる実績だった。
国別では、韓国が好調を持続しており959.4億円(前年比123.8%、シェア25.4%)と首位であり、フランスが907.4億円(前年比118.7%、シェア24.1%)と僅差で続く。
2024年1月の全国財務局長会議では、経済情勢の全局総括判断を「物価上昇や海外経済の減速の影響がみられるものの、緩やかに回復しつつある」としている。
ベースメークで中国がランクアップ
(1)香水・オーデコロン類
全体で392.5億円(同279.9億円、同140.2%)と前年を大きく上回った。この分野ではフランスが252.7億円(同180.7億円、同139.9%)で、64.4%と3分の2弱のシェアを占めている。2位のイタリア31.2億円(同23.4億円、同133.1%)、3位はイギリス24.6億円(同14.7億円、同167.7%)とアメリカ24.6億円(同17.1億円、同144.2%)が並んでおり、両国とも前年を大きく上回った。
(2)カラーメーキャップ化粧品類
全体で561.9億円(同493.1億円、同114.0%)と、前年を上回った。口紅類は226.1億円(同147.8億円、同152.9%)と大きく伸長している。アイメーキャップ類は250.2億円(同270.6億円、同92.5%)と前年を下回った。ネールズ類は85.7億円(同74.7億円、同114.7%)と好調を持続している。
国別では1位の韓国は172.1億円(同127.6億円、同134.9%)と前年を大きく上回った。2位はフランスで143.2億円(同132.0億円、同108.5%)。次いで、3位の中国125.3億円(同104.0億円、同120.6%)、4位のイタリア40.1億円(同36.6億円、同109.6%)、5位のアメリカ34.8億円(同48.2億円、同72.2%)、6位の台湾15.7億円(同16.0億円、同98.4%)となっている。なお、フランス、韓国、中国の上位3カ国で全体の78.4%を占めている。
類別に国ごとに見ると、「口紅類」は前述したように伸長著しく、1位の韓国は88.8億円(同42.7億円、同208.0%)、2位のフランスは80.6億円(同60.5億円、同133.2%)、3位の中国18.7億円(同11.9億円、同157.1%)、4位のイタリア12.2億円(同10.8億円、同112.9%)といずれの国も前年を上回った。
「アイメーキャップ類」は、1位の韓国79.3億円(同80.1億円、同99%)、2位の中国61.8億円(同56.5億円、同109.4%)、3位のフランス42.7億円(同54.3億円、同78.6%)、4位のイタリア26.7億円(同24.4億円、同109.4%)となっている。
「ネールズ類」は、1位中国44.8億円(同35.6億円、同125.8%)、2位フランスは19.9億円(同17.2億円、同115.7%)、3位アメリカ8.3億円(同8.1億円、同102.5%)とも前年を上回った。
(3)ベースメーキャップ化粧品類
全体では、456.3億円(同360.8億円、同126.5%)となり、前年を大きく上回った。国別では1位の韓国が288.1億円(同216.9億円、同132.8%)と好調で、ベースメーク類のシェアの6割超(63.1%)を占めている。次いで2位のフランス84.1億円(同69.5億円、同121.0%)、3位のイタリア29.6億円(同32.1億円、同92.2%)、4位の中国19.7億円(同10.4億円、同188.8%)、5位アメリカ19.3億円(同16.2億円、同119.1%)と続く。
(4)皮膚用化粧品類
全体では、1214.5億円(同1101.7億円、同110.2%)と好調を持続している。1位のフランス371.1億円(同328.4億円、同113.0%)、2位の韓国355.5億円(同297.2億円、同119.6%)は伸長したが、3位のアメリカ191.8億円(同205.5億円、同93.3%)は前年を下回った。これら3カ国でこの分野全体の75.7%を占めている。
次いで4位イギリス40.4億円(同29.6億円、同136.3%)、5位の中国28.8億円(同24.5億円、同117.5%)、6位スイス21.5億円(同15.2億円、同141.3%)と続く。
(5)頭髪用化粧品類
全体で593.5億円(同580.5億円、同102.3%)と前年を上回った。
この頭髪用化粧品類は、他の美類と異なり、他国の実績合計が371.5億円(同352.4億円、同105.4%)と全体の6割超(62.6%)を占めている。中でもタイは287.6億円(同263.2億円、同109.3%)の実績であり、頭髪用化粧品類全体の48.4%のシェアを占めている。
代表的なシャンプーとトリートメント・整髪料の実績で見ると、シャンプーでは109.9億円(同102.1億円、同107.5%)、ヘアコンディショナー等のトリートメントや整髪料では174.1億円(同157.8億円、同110.3%)となり、これら2品目の輸入実績がタイは他国を圧倒している。
その他の国では、中国53.4億円(同63.7億円、同83.8%)、フランス47.4億円(同39.0億円、同121.6%)、アメリカ45.2億円(同49.4億円、同91.6%)、韓国37.2億円(同37.6億円、同99.1%)と続いている。
次回は2024年5月に、2024年(1~3月)の実績を報告予定である。
月刊『国際商業』2024年05月号掲載