韓国化粧品の好調が続く
日本輸入化粧品協会は11月7日、2022年(1~9月)の化粧品輸入実績を発表した。ハミガキ、石鹸等を除く輸入実績は、2447億9000万円(前年同期2031億6000万円、前年同期比120.5%、以下同)と前年を上回った。3月以降急激に進んだ円安の影響が伸びを押し上げる結果となっている。
カテゴリー別でも、「香水・オーデコロン類」(126.9%)、「カラーメーキャップ類」(128.1%)、「ベースメーキャップ化粧品類」(141.4%)、「皮膚用化粧品類(ボディ含む)」(112.5%)、「頭髪用化粧品類」(120.1%)といずれも前年を上回った。
国別では、首位は引き続き韓国で575億7000万円(127.2%)で、次いでフランスが547億6000万円(116.7%)となった。
(1)香水・オーデコロン類
全体で194億8000万円(153億5000万円、126.9%)と、前年を大きく上回った。この分野ではフランスが64.2%と引き続きトップシェアとなっており、125億2000万円(100億1000万円、125.1%)と伸長した。第2位のイタリアは15億7000万円(13億1000万円、119.7%)。第3位のアメリカは12億円(9億1000万円、132.1%)と増加した。
(2)カラーメーキャップ化粧品類
全体では、363億3000万円(283億6000万円、128.1%)となり、前年を大きく上回った。口紅類が104億7000万円(82億円、127.7%)と今期も前年を上回り、回復基調にある。
アイメーキャップ類202億5000万円(160億6000万円、126.1%)、ネイル類は56億2000万円(41億円、137.1%)といずれも大きく伸長している。
カラーメーキャップ化粧品類における国別実績では、首位は韓国で96億4000万円(80億円、120.5%)、2位のフランスは95億1000万円(75億2000万円、126.5%)と僅差で続く。3位は中国で75億8000万円(52億4000万円、144.8%)、4位アメリカ34億3000万円(25億9000万円、132.1%)、5位イタリア28億2000万円(26億4000万円、106.7%)と続く。なお、韓国、フランス、中国の上位3カ国で全体の73.6%を占めている。
さらに類別に国ごとに見ると、口紅類は、1位のフランスは41億1000万円(30億7000万円、134.0%)、2位韓国は31億8000万円(25億6000万円、124.6%)といずれも伸長し、3位中国は8億2000万円(8億円、102.2%)と若干前年を上回った。
アイメーキャップ類は、首位の韓国が60億9000万円(53億円、115.0%)、2位の中国が42億円(30億4000万円、138.2%)、3位フランス40億3000万円(29億9000万円、135.0%)とそれぞれ伸長。上位3カ国で全体の71%を占めている。
ネイル類では、1位中国25億7000万円(14億円、183.5%)が大きく伸長し、2位フランスは13億6000万円(14億6000万円、93.5%)と前年を下回り、3位アメリカは6億1000万円(4億4000万円、139.0%)と前年を大きく上まわった。
(3)ベースメーキャップ化粧品類
全体では、267億6000万円(189億2000万円、141.4%)と前年を大きく上回った。 国別では韓国が162億1000万円(108億4000万円、149.6%)と好調で、ベースメーク類のシェアの6割を占めている。次いでフランス50億6000万円(40億5000万円、124.9%)、イタリア23億6000万円(13億5000万円、174.6%)アメリカ12億2000万円(11億8000万円、103.4%)、中国6億5000万円(7億2000万円、90.4%)、ベルギー5億3000万円(3億1000万円、167.6%)と続く。
(4)皮膚用化粧品類(ボディ含む)
全体では、808億8000万円(718億9000万円、112.5%)となり前年を上回った。 トップのフランスは234億6000万円(217億1000万円、108.1%)、第2位韓国も215億8000万円(180億2000万円、119.8%)、第3位アメリカも156億7000万円(153億円、102.4%)といずれも伸長した。この3カ国で、全体の75.1%を占めている。第4位のイギリスは21億8000万円(18億7000万円、116.6%)、中国17億7000万円(14億9000万円、118.8%)と続いている。
(5)頭髪用化粧品類
全体で439億2000万円(365億8000万円、120.1%)と前年を上回った。頭髪用化粧品類では、他のカテゴリーと異なり他国の実績合計が267億3000万円(227億4000万円、117.6%)で全体の60.9%を占めているのが特徴。中でもタイは頭髪用化粧品類全体の44.9%のシェアを占めている。シャンプーでは77億5000万円(70億7000万円、109.5%)で、シェアは59.6%となっている。コンディショナーやヘアオイル、クリーム等整髪料合計でも117億3000万円(100億3000万円、117.0%)で、シェアは38.3%を占めている。その他の国では、中国46億7000万円(28億5000万円、163.6%)、アメリカ38億2000万円(39億円、98.1%)、韓国30億5000万円(24億8000万円、122.9%)と続いている。
なお、2022年1~12月の実績は23年2月に公表予定だ。
2022年1〜6月期化粧品輸入実績(前年対比と全体実績・出典;日本輸入化粧品協会)
月刊『国際商業』2023年01月号掲載