韓国がトップに躍り出る


日本輸入化粧品協会は2月8日、2022年(1~12月)の化粧品輸入実績を発表した。ハミガキ、石鹸等を除く輸入実績は、3318億2000万円(前年同期2753億円、前年同期比120.5%、以下同)と、コロナ禍前の2019年(1~12月)の2825億4000万円をも上回る実績となった。

各四半期の実績推移を見ると、第1四半期(1~3月)737億1000万円(652億7000万円、112.9%)、第2四半期(4~6月)817億4000万円(710億2000万円、115.3%)、第3四半期(7~9月)893億4000万円(668億7000万円、133.6%)、第4四半期(10~12月)870億3000万円(721億4000万円、120.6%)となり、各四半期すべてにおいて前年を上まわる結果となった。

また、2022年度はすべての美類とも前年を上まわる実績となった。

国別では、韓国が好調を持続しており(775億3000万円、前年比125%、シェア23.4%)、フランス(764億4000万円、前年比120.8%、シェア23.0%)に入れ替わり年間シェア首位となった。


(1)香水・オーデコロン類

全体で279億9000万円(211億5000万円、132.3%)と、前年を大きく上回った。この分野ではフランス180億7000万円(137億8000万円、131.1%)が64.5%と3分の2弱のシェアを占めている。2位のイタリア23億4000万円(16億4000万円、143.0%)、3位のアメリカ17億1000万円(12億6000万円、135.8%)、4位イギリス14億7000万円(9億9000万円、147.6%)とも前年を大きく上回った。

(2)カラーメーキャップ化粧品類

全体で493億1000万円(386.7億円、127.5%)と、前年を上回った。

「口紅類」も147億8000万円(113億4000万円、130.3%)と大きく回復。「アイメーキャップ類」は270億6000万円(217億8000万円、124.2%)、「ネールズ類」は74億7000万円(55億6000万円、134.3%)と好調を持続した。

国別では1位のフランスは132億円(98億5000万円、133.9%)と前年を大きく上まわった。2位は韓国で127億6000万円(113億円、112.9%)と僅差で続く。次いで、3位の中国104億円(72億3000万円、143.7%)、4位のアメリカ48億2000万円(34億5000万円、139.6%)、5位のイタリア36億6000万円(34億5000万円、106.0%)、6位の台湾16億円(11億8000万円、135.2%)となっている。

なお、フランス、韓国、中国の上位3カ国で全体の73.8%を占めている。

類別に国ごとに見ると、「口紅類」は前述したように回復著しく、1位のフランスは60億5000万円(43億3000万円、139.8%)、2位の韓国42億7000万円(35億円、122.1%)、3位の中国11億9000万円(10億3000万円、115.5%)、4位のアメリカ8億7000万円(6億1000万円、141.5%)といずれの国も前年を上まわった。

「アイメーキャップ類」は、着実に伸長。1位の韓国80億1000万円(75億6000万円、105.9%)、2位の中国56億5000万円(41億1000万円、137.5%)、3位のフランス54億3000万円(37億4000万円、145.1%)、4位のイタリア24億4000万円(23億2000万円、105.3%)、5位のアメリカ31億4000万円(22億6000万円、139.0%)と主要国はいずれも前年を上まわった。

「ネールズ類」は、1位の中国35億6000万円(20億9000万円、169.9%)は大きく伸長したが、2位のフランスは17億2000万円(17億9000万円、96.3%)と前年を下まわった。3位のアメリカ8億1000万円(5億8000万円、140.1%)、4位の台湾5億7000万円(5億2000万円、108.9%)、5位の韓国4億7000万円(2億4000万円、197.4%)と続く。

(3)ベースメーキャップ化粧品類

全体では、360億8000万円(256億1000万円、140.9%)となり、前年を大きく上まわった。国別では1位の韓国が216億9000万円(149億円、145.6%)と好調で、「ベースメーク類」のシェアの6割(60.1%)を占めている。次いで2位のフランス69億5000万円(53億7000万円、129.3%)、3位のイタリア32億1000万円(18億8000万円、171.0%)、4位のアメリカ16億2000万円(14億3000万円、113.8%)、5位の中国10億4000万円(9億4000万円、110.5%)と続く。

(4)皮膚用化粧品類

全体では、1101億7000万円(964億6000万円、114.2%)と好調を持続。1位のフランス328億4000万円(296億9000万円、110.6%)、2位の韓国297億2000万円(242億1000万円、122.8%、3位のアメリカ205億5000万円(191億2000万円、107.5%)といずれも前年を上まわった。これら3カ国でこの分野全体の75.5%を占める。次いで4位イギリス29億6000万円(27億3000万円、108.4%)、5位の中国24億5000万円(20億4000万円、120.1%)、6位のドイツ21億6000万円(21億7000万円、99.6%)と続く。

(5)頭髪用化粧品類

全体で580億5000万円(502億8000万円、115.5%)と前年を上まわった。この頭髪用化粧品類は、他の美類と異なり、他国の実績合計が352億4000万円(318億7000万円、110.6%)と全体の6割(60.7%)を占めている。中でもタイは263億2000万円(245億7000万円、107.1%)の実績で、頭髪用化粧品類全体の45.3%のシェアを占めている。代表的なシャンプーとトリートメント・整髪料の実績で見ると、シャンプーでは102億1000万円(100億8000万円、101.4%)、ヘアコンディショナー等のトリートメントや整髪料では157億8000万円(142億2000万円、111.0%)となり、これら2品目の輸入実績がタイは他国を圧倒している。その他の国では、中国63億7000万円(39億4000万円、161.6%)、アメリカ49億4000万円(49億3000万円、100.1%)、フランス39億円(33億9000万円、114.9%)、韓国37億6000万円(36億1000万円、104.0%)と続いている。

なお、次回は5月に2023年1~3月の実績を公表する予定だ。

クリックしてa201d00c411acf8937f2792ce056252c.pdfにアクセス

月刊『国際商業』2023年04月号掲載