数年前からフランスで「メイド・イン・フランス」が大きなブームになっている。新型コロナウイルスで外出や商品の入手が難しくなった3月以降、ブームはますます広がり、衰え知らずだ。化粧品、一般消費財もブームの恩恵を大きく受けている。
「Fabriqué en France(仏語:フランス製)」といえば良いのに、あえて英語で「メイド・イン・フランス」という。20世紀半ばまで日用品はフランス製であるのが当たり前で、外国製品は高級品や希少品だった。その後、貿易の自由化で世界中から質が劣る商品が安く入ってきて、国産品であることが安心材料になった。「メイド・イン・フランス」ブームは「国産品=安心、良質」という消費者心理に基づいた、ここ10年ほどの新しい流れである。2017年の調査では、フランス人の74%が「質が良ければ高くても買う」、75%が「国産品は質が良い」と答えている。
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