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自ら小さな池に飛び込み持続的な成長を目指す
資生堂ジャパンの成長戦略が本格始動した。キーワードは「Art & Science」。価値の本質を伝えるコミュニケーション力と世界をリードする研究開発力を掛け合わせることで、新しい市場を創出する考えだ。2024年1月にスタートした藤原(憲太郎社長)体制では、〝小さな池の大きな魚を育てる〟ことを目指している。価値の同質化、価値観の多様化が進む中では、従来のすべてのカテゴリーでNo.1獲得を狙う戦略は通用し難い。むしろ、細分化された生活者のインサイトを的確に捉え、ニーズを満たすことで、新しい市場やカテゴリーを発掘し、多種多彩なNo.1獲得を目指すのは、社会や市場の環境変化に対応した合理的な戦略と言える。しかも、この積み重ねが資生堂ジャパンの競争力を高める礎になるのは間違いない。「Art & Science」起点の成長戦略は、資生堂ジャパンの今後を占う試金石になる。資生堂ジャパン マーケティングリレーション本部の北原規稚子本部長は次のように説明する。
「市場創造の先行者メリットは、非常に大きい。生活者に支持されるヒット商品が生まれると、2番手、3番手が参入し、市場は拡大します。それでも、市場を切り開いた商品への支持は消えるどころか、高まるからです。例えば、資生堂の『HAKU』が美白市場をリードし続けるのは、最新の知見を惜しみなく投入し、生活者のニーズを引き出し、満たしてきたからです。資生堂には本物の化粧技術がありますから、その価値を生活者に伝え、新市場の創出をリードすることは十分に可能ですし、していかなければいけません」
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