化粧人口の拡大は喫緊の課題だ。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(2023年推計)は、日本の人口は20年の1億2615万人から、70年に8700万へと減少すると予想。17年に行った前回の推計よりも377万人増なのは、平均寿命の延伸と外国人の入国超過数の増加を折り込んだからだ。しかし、20年に28.6%だった高齢化率は、高位推計で35.3%、中位推計で38.7%、下位推計で42.0%と、いずれも大幅増。23年の出生数は約72万6000人、8年連続過去最少になる見込みであること、高齢者は化粧品の購入率が下がることを踏まえれば、化粧品業界は使用者拡大に総力を挙げて取り組むべきだろう。

化粧品の使用年齢を広げる取り組みは増えている。例えば、コーセーは幼少期からのUVケアを提唱するサンシャインデライト社と協業し、幼児が自ら塗って使う日焼け止め「SunDクリーム」を開発したり、子どもが職業体験するキッザニア東京にブースを設置。ポーラ・オルビスホールディングスは、子ども向けD2C ブランド「Sta★Sta(スタスタ)」を立ち上げ、第一弾商品として、子どもが自分で塗りたくなるように、遊び感覚で楽しく使える泡剤型の化粧水を発売している。一方、シニア層に対しては、各社が得意とするエイジングケアをアクティブシニアに訴求し、市場拡大を後押ししているが、その先の需要創出として、〝介護美容〟に目を付けたのが、ナリス化粧品である。

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