強い個性を持つモール型ECが活躍

通販化粧品市場が活況を呈している。経済産業省の「令和4年度電子商取引に関する市場調査」によれば、物販系分野のBtoC-EC市場規模は、前年比5.37%増の13兆9997億円。化粧品・医薬品分野に限ると同7.48%増の9191億円で、全体の伸長率を上回っている。また、日本通信販売協会(JADMA)の調査によると、22年度(22年4月〜23年3月)の通販売上高は、前年比10.9%増の12兆7100億円。売れ筋商品は衣料品、化粧品、食料品(健康食品を含む)で、販売ルートはモール系ECが中心になっている。「市場統計の取り方にもよるが、これからもECが伸び続けることは間違いない」と通販業界関係者の鼻息は荒い。

化粧品ECの隆盛は、コロナ下の外出自粛が契機になった。毎日使う化粧品が近くの店で購入できない事態は、消費者にとって初めての経験。そこで手を伸ばしたのがECで、高い利便性に気が付き、継続利用が増えている。また、ダイバーシティ、ジェンダーフリーの浸透により、男性の化粧需要が顕在化。依然として店頭に買いに行く勇気がない男性もECは取り込んでいる。23年5月にコロナが5類になり、外出制限がなくなると、対面イベントやリアル店舗のキャンペーンが増えた。それでも通販市場の拡大が続くということは、化粧品の購買行動の一つとしてECは十分に浸透したと言えよう。

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