ミルボンの2023年12月期業績は、売上高は前年同期比5.6%増の477億6200万円、営業利益26.8%減の55億2500万円、経常利益28.6%減の55億8600万円、親会社株主に帰属する当期純利益28.3%減の40億100万円と増収減益となった。
売り上げは、国内染毛剤売上がコロナ禍で伸長したカラー需要が高止まりとなっており、その影響を受け減収となったものの、ヘアケアのプレミアムブランド「オージュア」「グローバルミルボン」がけん引し、全体では増収となった。利益面では、国内で投入したドライヤーの在庫評価損、原材料価格高止まりの影響で売上総利益率が低下したことに加え、国内外で大型イベント・セミナー開催を積極的に行い販売促進費および市場開発費が増加したこと、国内外の出張が増加したことにより旅費交通費が増加するなどで販管費が増加し利益を圧迫した。
品目別売り上げは、ヘアケア用剤が7.8%増の283億5500万円、染毛剤が1.9%増の169億5300万円、パーマネントウェーブ用剤が1.0%増の14億6300万円、化粧品が0.1%減の5億7100万円、その他が53.6%増の4億1800万円だった。
地域別売り上げは、国内が3.3%増の365億200万円、海外が13.7%増の112億6000万円だった。
海外では、米国(ミルボンUSA)が22年第3四半期に出荷トラブルの影響で第4四半期への売り上げの期ずれが生じたことによる反動減と、一部の契約代理店が買収されたことに伴う一時的な出荷停止により、23年第4四半期の売り上げは減収となったが、通期売り上げは2桁成長となった。売り上げの8割を占めるヘアケアは、「グローバルミルボン」が成長をけん引し、15.7%増。また、各種教育イベントの実施を通じ、代理店担当者や美容師からの製品ファン化が進展したことにより、新規窓口も拡大した。染毛剤は教育イベントの実施により、欧米専用ヘアカラー「ソフィストーン」への製品ファン化が進展したこともあり、18.8%増となった。
中国(ミルボン中国)は、美容室の顧客は合理的価格かつ高品質のサービスを美容室に求めるように変化し、美容室への来客数も減少傾向にあるなど、市場環境は厳しさを増している。中で、一軒一軒の美容室との強固な関係性を構築し、増収で着地。ヘアケアは顧客の変化に対応できるメニューの立案や技術教育を実施したことで、業務用トリートメントの美容室への導入が進んだこともあり、12.0%増となった。染毛剤は、1年を通して、顧客の美容室への来客減少の影響を受け5.1%減だった。
韓国(ミルボンコリア)は、売り上げの7割を占める染毛剤が、カラートレンドの変化の影響を受けつつも、韓国内の高齢化を追い風にグレイカラーが順調であったため、4.3%増だった。ヘアケアは、「グローバルミルボン」を中心に順調で、優秀な代理店セールスとの協働による窓口拡大により、13.9%増と伸長した。
24年12月期通期業績は、売上高6.0%増の506億2000万円、営業利益19.5%増の66億円、経常利益17.4%増の65億6000万円、親会社株主に帰属する当期純利益16.2%増の46億5000万円と増収増益の見通し。